帝国データバンクは8日、仕入れの価格などコスト上昇分を販売価格に転嫁できず業績が悪化した「物価高倒産」が2022年度は過去最多となる見通しだと発表した。22年度の件数は23年2月時点で396件と21年度(136件)の3倍程度に達した。

 コスト上昇の要因としては、「原材料」が37%と最も多く、次いで「エネルギーコスト」(24・6%)、「包装・資材」(20・7%)だった。

 同社では18年1月から物価高による倒産を集計してきたが、22年5月から急増。23年2月は前年同月の7・6倍となる53件で、8カ月連続で過去最多を更新した。

 ロシアのウクライナ侵攻に伴う資源などの価格高騰が背景にあり、同社の担当者は「電気代高騰などが経営にボディーブローのようにダメージを与えている。企業がコスト上昇分を十分に転嫁するのは難しく、物価高倒産は今後も増加傾向が続くだろう」と話している。【浅川大樹】

情報提供元: 毎日新聞
記事名:「 電気代高騰など「ボディーブローのように」 物価高倒産、過去最多か