米国のブリンケン国務長官は19日に放送された米CBSテレビなどのインタビューで、中国がウクライナを侵攻しているロシアに対して殺傷力のある武器の支援を検討しているとの分析を示した。そのうえで、もし支援を実行すれば「(米中)両国の関係に深刻な問題を引き起こす」と中国側に明確に伝えてきたと語った。

 ブリンケン氏は米主要テレビのインタビューに相次いで答えた。CBSのインタビューでは、中国はロシアに非殺傷兵器を提供してきたと指摘し、「今懸念しているのは、中国が殺傷力のある支援の提供を検討しているということだ」と言及。その中身については「武器だ」と述べ、「弾薬から武器そのものまで一通り」が含まれると語った。

 こうした懸念について、ドイツ・ミュンヘンで18日に会談した中国外交トップの王毅・共産党政治局員に伝えたとし、「我々の深い懸念を非常にはっきりと、直接的に話すことが非常に重要だった」と述べた。

 米国は侵攻開始直後にも中国のロシアに対する武器支援を警戒した。バイデン米大統領は2022年3月に中国の習近平国家主席とオンライン形式で会談した際、対抗措置を示唆してロシアに対する支援をしないようけん制した。【ワシントン西田進一郎】

情報提供元: 毎日新聞
記事名:「 中国、ロシアへ殺傷力ある武器の提供を検討か 米国務長官が懸念