長崎県佐世保市の九十九島動植物園「森きらら」で2021年2月、檻(おり)で単独飼育していた雌のシロテテナガザルが出産したことについて同園は30日、隣接する檻のアジルテナガザルが父親であることが判明したと発表した。波紋を広げた“謎の出産”は、2年がかりで解明された。

 同園によると22年秋、シロテテナガザルのモモ(12歳)と子ザル、父親の可能性のある雄ザル4頭のそれぞれの体毛と大便を採取して京都大学の研究者に鑑定を依頼。DNA型鑑定の結果、父親はアジルテナガザル「イトウ」(34歳)であることが判明した。

 モモとイトウは午前と午後で交互に展示場に出るので直接接する機会はないが、展示場とバックヤードの仕切りが直径約9ミリの穴が並ぶパンチングボードだった。この穴越しに交尾した可能性が考えられるが断定はできないという。

 同園はモモの出産を受け、仕切りは穴のない鉄板に変更。現在、体重約2キロ(推定)までに成長した子ザルが雄であることも判明した。【綿貫洋】

情報提供元: 毎日新聞
記事名:「 「謎の出産」シロテテナガザル、DNA型鑑定で父親判明 長崎