【ロンドン時事】ジョンソン元英首相はロシアのウクライナ侵攻前の昨年2月、プーチン大統領から電話会談で「あなたを傷つけたくないが、ミサイルならたった1分で済む」と脅されたと語った。ジョンソン氏がプーチン氏に対し、侵攻は大惨事になると警告した直後の発言だったという。 英BBC放送が30日に放映するドキュメンタリー番組の概要で明らかにした。 ジョンソン氏は電話会談で、ウクライナに侵攻すれば西側諸国はより厳しい対ロシア制裁を科すとけん制。ロシアとの国境に北大西洋条約機構(NATO)軍を増派することにつながると強調したという。一方で、ウクライナのNATO早期加盟はないと説明し、侵攻を思いとどまるよう説得を試みたとも主張した。 ただ、ジョンソン氏はプーチン氏が「リラックスした口調、ある種の無関心な雰囲気で、私が彼を交渉に引き込もうとするのをあしらっていただけだと思う」とも語り、脅迫の真意は不明だ。 ジョンソン氏は電話会談の直前、ウクライナの首都キーウ(キエフ)でゼレンスキー大統領と会談していた。 【時事通信社】 〔写真説明〕ジョンソン元英首相=2022年9月、ロンドン(EPA時事)