【パリ時事】国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会は25日、「黒海の真珠」とたたえられるウクライナ南部の港湾都市オデッサの歴史地区について、世界文化遺産に登録することを決めた。ウクライナが昨年10月、登録を申請していた。 オデッサはロシアの侵攻で破壊の脅威に直面しており、ユネスコは今回、緊急手続きで登録を決定した。紛争や災害、開発などで重大な脅威にさらされている世界遺産が対象の「危機遺産」にも同時登録した。 AFP通信によると、21カ国から成る世界遺産委の表決は賛成6、反対1、棄権14。ロシアは議決の先送りを主張していた。 昨年2月に始まったロシアによる侵攻では、オデッサも攻撃の標的となった。ユネスコのアズレ事務局長は、オデッサの登録について「(ウクライナでの)戦争は続いている。この都市をさらなる破壊から保護しなければならないという、われわれの決意を具体化した」と強調した。 【時事通信社】 〔写真説明〕ウクライナ南部オデッサの街並み=2022年2月(AFP時事)