東京都狛江市の民家で住人の大塩衣与さん(90)の遺体が見つかった強盗殺人事件で、4人組とみられる強盗グループが逃走に使ったレンタカー2台は、事件前日に借りられたものだったことが25日、捜査関係者への取材で分かった。 うち1台は現場近くに乗り捨てられており、もう1台に乗り換えて逃走したとみられる。警視庁調布署捜査本部はグループが事件前日までに襲撃準備を整えていたとみて調べている。 捜査関係者によると、レンタカー2台は、事件前日の18日、都内と都外でそれぞれ借りられていた。 2台のうち白色のレンタカーは大塩さん襲撃後とみられる19日午後1時ごろ、大塩さん宅から東方向に逃走。さらに約30分後、同じ場所をもう1台の銀色のレンタカーが通過するのが付近の防犯カメラで確認された。 白色のレンタカーに乗っていた複数の容疑者は、近くのコインパーキングに車を乗り捨てると、銀色のレンタカーに乗り込み、一緒に逃走。車は20日、足立区内で発見された。 同区内で「不審車両がある」との通報があり、同日午後1時ごろ、警察官が駆け付けたところ、昨年12月に中野区で発生した別の強盗事件で行方を追っていた永田陸人容疑者(21)が付近にいたため、逮捕した。 車内にあった携帯電話を調べたところ、18日のSNSのやりとりの中に、狛江市や足立区など強盗の標的とみられる複数の地名などが見つかった。同容疑者は「スマホは自分のものではない」と供述している。 捜査本部によると、車内からは同容疑者の運転免許証や複数人分の身分証、高級腕時計など3本も見つかった。うち1本は大塩さんの家族の所持品とみられる。 ほかに段ボール3箱や衣類が発見され、捜査本部はグループが宅配業者を装うなどして大塩さん宅を訪れたとみて調べる。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕東京都狛江市の強盗殺人事件で、現場からの逃走に使われた2台のレンタカー(提供写真)(一部、画像処理してあります)