せっかく寝たと思ったのに、ベッドに降ろすと泣きだしてやり直し―。苦労する赤ちゃんの寝かし付けで、理化学研究所などの国際共同研究チームは「抱っこ歩きで赤ちゃんが寝始めたら、5~8分待ってベッドに置く」という効果的な方法を見いだした。論文は14日、米科学誌カレント・バイオロジーに掲載された。 理研脳神経科学研究センターの黒田公美チームリーダーらは、生後7カ月以下の赤ちゃん21人と母親の協力を得て、赤ちゃんの寝かし付けの様子を、心拍数の変化を手掛かりに詳しく調べた。 その結果、赤ちゃんは背中がベッドに着いたのを感知して覚醒するのではなく、抱っこしていた親の体が離れるのを感知していることが判明。抱っこされて寝ている時も、触覚や体勢の変化などを通じて親の動きに敏感に反応していた。 さらに、ベッドに置いても起きない赤ちゃんと起きる赤ちゃんを比較したところ、抱っこされて寝始めてからベッドに置かれるまでの時間が異なっていた。3分程度だと起きてしまうが、5~8分待ってから置くことで、赤ちゃんが起きにくくなることも分かった。 黒田さんは「最近はスマートウオッチなどで心拍数は気軽に測れる。赤ちゃんの状態に合わせて、寝かし付けが成功しやすいアドバイスをしてくれるようなアプリや技術を考えている」と話した。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕寝かし付けで、ベッドに置いた途端に泣きだす赤ちゃん(理化学研究所提供)