長野県軽井沢町でスキーツアーバスが転落し、大学生ら15人が死亡した事故の遺族らが10日、「安全安心なバス運行を誓う集い」を同町内で開催した。安全対策の内容を記したチラシをバス事業者らに配り、安全運行を呼び掛けた。 集いは発生から6年となる今年1月に初開催され、今回で2回目。遺族でつくる「1.15サクラソウの会」のメンバーは、貸し切りバスなどを運行する西武観光バスの軽井沢営業所を訪問。チラシを受け取った山内智矢社長は「事故防止に終わりはない。社を挙げて全力で取り組む」と話した。軽井沢駅のバス乗り場では、出発前のドライバーにチラシを渡した。 軽井沢町役場では、遺族らが藤巻進町長や日本バス協会の石指雅啓理事長らと懇談した。事故で当時大学2年の次男を失った同会代表の田原義則さん(56)は「事故を無駄にしないよう、教訓を再発防止に生かしてほしい」と語った。 事故は16年1月15日未明に発生。乗客の大学生13人と乗員2人が死亡し、26人が負傷した。運行会社「イーエスピー」(東京)の社長ら2人が業務上過失致死傷罪で起訴され、長野地裁で公判が続いている。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕安全なバス運行を呼び掛けるチラシを受け取る西武観光バスの山内智矢社長(右)=10日、長野県軽井沢町