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初会合には日本から林芳正外相と萩生田光一経済産業相、米国はブリンケン国務長官とレモンド商務長官が出席。半導体や通信機器など戦略物資のサプライチェーン(供給網)強化、人権侵害に悪用されかねない先端技術の輸出管理、中国の経済圏構想「一帯一路」に代わる質の高いインフラ投資の基準作りを協議する。ロシアのウクライナ侵攻に伴うエネルギーや食料の価格高騰といった地球規模の課題も議論する見通しだ。
新型コロナウイルスの流行やウクライナ危機で世界の分断が進む中、日米は国際経済秩序の再構築を急ぐ。来年、米国はアジア太平洋経済協力会議(APEC)議長国、日本は先進7カ国(G7)議長国をそれぞれ務める予定で、経済版2プラス2は、経済安保をめぐる国際ルールの「土台作り」(日米外交筋)を担う場となりそうだ。
ただ、日米の思惑には違いもある。バイデン政権は対中国を念頭に、新経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」や日米豪印4カ国の連携枠組み「クアッド」で日本が果たす役割に大きな期待を寄せる。一方、日本は経済版2プラス2を通じ、米国を環太平洋連携協定(TPP)復帰へと導きたい考えだ。
先端技術の輸出管理をめぐっても、米国が強硬な規制を提唱するのに対し、日本はG7で唯一、人権に特化した法規制がなく、慎重姿勢だ。日本は半導体やエネルギーで中ロに依存している面もあるため、米国と強固な関係を築きつつ、中ロとの全面衝突を避けるという難しいかじ取りが求められる。 【時事通信社】
〔写真説明〕岸田文雄首相(左)とバイデン米大統領=5月、東京・元赤坂の迎賓館(EPA時事)