- 週間ランキング
国立感染症研究所などによると、サル痘はサル痘ウイルスへの感染で起きる急性発疹性疾患。1958年に研究用のサルから見つかり、70年にはコンゴ(旧ザイール)で人への感染が初報告された。
自然宿主はアフリカに生息するリスなどのげっ歯類とされ、ウイルスを持つ動物にかまれた場合などに感染する。人から人には、感染者の発疹との接触や近距離からの飛沫(ひまつ)、感染者が使った寝具などを介してうつることがある。
ただ、今年5月以降の欧米を中心とした広がりは「これまでの知見と異なっている」(厚生労働省)とされ、男性間の性交渉で感染した例もあるという。
感染研は「早期の患者発見と接触者の追跡で感染の連鎖を絶つことが可能だ」と指摘し、爆発的な感染拡大の危険性は低いとみている。東京慈恵会医科大の浦島充佳教授(予防医学)は「現時点での死亡リスクや感染力の低さを考えると、過度な心配は不要だ。日常生活のあり方を変える必要はない」として、冷静な対応を呼び掛けている。 (了)
【時事通信社】
〔写真説明〕サル痘のワクチン接種のために並ぶ人々=17日、米ニューヨーク(AFP時事)