京都大学と鹿島建設は5日、人類が月や火星で生活する時代に必要となる、重力を人工的に生み出す居住施設構想について共同研究を始めると発表した。 構想は21世紀後半、人類が月や火星への移住を実現すると想定。月や火星は地球に比べて重力が小さく、長期間の滞在は健康や発育などへの影響が懸念される。このため、施設全体が回転するグラスのような形をした居住施設を建設。遠心力で地球環境と同等の重力を人工的に発生させる。 施設内には地球の生態系を模した環境を再現することも計画するほか、月や火星、地球の間を移動する鉄道型の交通システムの開発も目指す。 京大の山敷庸亮教授は「宇宙への移住を実現する上で核心となる技術で、日本がリーダーシップを発揮して研究を進めたい」と話した。(了) 【時事通信社】 〔写真説明〕月面での人工重力居住施設のイメージ図(鹿島建設提供)