【香港時事】香港が英国から中国に返還されて25年となる1日、香港で記念式典と政府トップの行政長官就任式が行われた。出席した中国の習近平国家主席は、演説で「香港の一国二制度の成功は、世界に認められている」と述べ、統治の成功を強調した。 習氏は「一国二制度の根本は国家主権を守ること」だと指摘。「一国」が「二制度」に優先されるとの解釈を改めて示した上で、同制度を「変える必要はなく、長く堅持する」と表明した。「政権は愛国者が掌握しなければならない。いかなる国・地域であっても、非愛国的、反逆的勢力が政権を握ることは許されない」とも語った。 習氏が前回香港を訪れたのは2017年。19年に民主派による大規模な反政府デモが起きて以降では初の訪問となった。 中国は20年に香港国家安全維持法を制定し、21年には民主派を排除する目的で香港の選挙制度を大幅に変更。異論を封じ込め、香港が表向きの平穏を取り戻したことを「『乱』から『治』」達成の成功例と捉えている。 就任式では、今年5月の選挙で当選した警察出身の李家超氏が、習氏を前に就任宣誓を行った。 【時事通信社】 〔写真説明〕1日、香港返還25年の記念式典に出席する李家超新行政長官(左)と習近平国家主席(AFP時事) 〔写真説明〕1日、香港返還25年の記念式典で演説する李家超新行政長官(AFP時事) 〔写真説明〕1日、香港返還25年の記念式典で演説する中国の習近平国家主席(AFP時事)