野球殿堂博物館は14日、今年の殿堂入りを発表し、競技者表彰のプレーヤー部門(引退後5年以上の元プロ)では、ヤクルトでプロ野球歴代2位の通算286セーブを挙げ、現監督の高津臣吾氏(53)、50歳1カ月の最年長出場記録を持ち、中日一筋で通算219勝の山本昌(本名山本昌広)氏(56)が選出された。 新聞記者らによる投票で高津氏は311票、山本氏は307票を集め、当選必要数(有効投票の75%=271票)を超えた。 エキスパート部門(引退後21年以上の元プロで、現役の監督やコーチを除く)は、元阪神のランディ・バース氏が106票でトップだったが、75%に届かなかった。 アマチュア関係者らが対象の特別表彰は、首都大学野球連盟の設立に尽力した東海大創立者の故松前重義氏が選ばれた。 殿堂入りは今回の3人を加え、212人となった。 ◇高津臣吾氏の略歴 高津 臣吾氏(たかつ・しんご)広島工高、亜大を経てドラフト3位で91年ヤクルト入り。最優秀救援投手に4度輝くなど活躍し、04年に米大リーグのホワイトソックスへ移籍。メッツを経て06年ヤクルト復帰。韓国、台湾、BCリーグでもプレーして12年に現役引退。日米通算313セーブを記録。20年からヤクルト監督。就任2年目の昨年は2年連続最下位のチームを6年ぶりのリーグ優勝、20年ぶりの日本一に導き、正力松太郎賞に輝いた。53歳。広島県出身。 ◇山本昌氏の略歴 山本昌氏(本名山本昌広=やまもと・まさひろ)神奈川・日大藤沢高から、ドラフト5位で84年に中日入団。最多勝に3度輝き、06年に史上最年長の41歳1カ月でノーヒットノーラン、08年に通算200勝を達成。49歳0カ月での勝利など多くの最年長記録を残し、15年に50歳で現役引退。実働29年で通算219勝165敗5セーブ、防御率3.45。神奈川県出身。56歳。 ◇野球殿堂得票数(各部門上位5人) ◇競技者表彰・プレーヤー ◎高津 臣吾 311(86.1%) ◎山本 昌 307(85.0%) A・ラミレス 209(57.9%) 川相 昌弘 183(50.7%) 谷繁 元信 167(46.3%) (有効投票数361、当選必要数271) ◇競技者表彰・エキスパート R・バース 106(72.6%) 掛布 雅之 86(58.9%) 長池 徳士 58(39.7%) 大沢 啓二 57(39.0%) 柴田 勲 49(33.6%) (有効投票数146、当選必要数110) ◇特別表彰 ◎松前 重義 9(81.8%) 古関 裕而 8(72.7%) 谷村 友一 6(54.5%) 宮井 勝成 4(36.4%) 太田 誠 2(18.2%) 大和 球士 2(18.2%) (有効投票数11、当選必要数9) ◎は当選 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕高津臣吾氏(写真左)と山本昌(本名山本昌広)氏