オリックスが一回に4点を奪った。中嶋監督が「珍しい」と話した先制パンチは、快投が続く山本にとって十分過ぎる援護。エースは「思い切って投げることができた」との言葉通り、すいすいと九回まで投げ切った。 七回先頭の栗原に内野安打を許すまで無安打に抑えた。「調子自体はそこまで良くなかった」と言うが、相手の脅威となったのは140キロを超えるフォーク。真っすぐのタイミングで振った打者は完全に狂わされた。 勝ち続けられる要因の一つが、この「宝刀」の進化だ。3ボールでも平気でフォークを投じる。「年々、球数も増えて細かい感覚が得られている。コツをつかんだところもある」。打たせたり、空振りを取ったりと自在に操る。 今季3度目の完封で自身の連勝を13に伸ばし、両リーグ単独トップをひた走る16勝目。首位のチームをさらに加速させる6連勝に導いた。逃した偉業にも「今季か、来季ぐらいは」と自信をちらり。別次元の投手が25年ぶり優勝へ、チームをけん引している。 【時事通信社】 〔写真説明〕力投するオリックス先発の山本=2日、京セラドーム 〔写真説明〕ソフトバンクに勝利し、喜ぶ山本(右から3人目)らオリックスの選手たち=2日、京セラドーム