インターネット黎明期を知っている世代にとって、出会い系サイトやアプリは「犯罪の温床」というイメージがあります。しかし現代ではネットを介した出会いは一般的でカジュアル。ネットで出会う人たちは珍しくありません。
携帯電話事業者等の電気通信事業者の業界団体である一般社団法人電気通信事業者協会が、「スマホネイティブの恋愛事情」をテーマに、スマートフォン(以下「スマホ」)を所有する13~18歳の中高生500名を対象とした調査を実施しました。すると思いがけない「恋愛事情」「恋愛観」が浮かび上がりました。
ネットでの出会いに肯定的な中高生
産まれたときからインターネットがある環境で育った中高生。彼らの8割以上がスマホ・ネットを使った出会いを“アリ”と回答しています。
実際にスマホを使ってSNSで知らない異性とコミュニケーションをした経験がある中高生は60%、知らない異性に会ったことがある人は14%に上ることが明らかになりました。
自撮り被害が急増、相手を同性だと信じるケースも
ネットでの出会いに抵抗がないため、子ども達が犯罪に関わる可能性は高まっています。子どものSNS・スマホの利用実態に詳しい、ITジャーナリストの高橋暁子さんによると、実際にSNSを通じ中高生が事件に巻き込まれるだけでなく、被害も複雑化しているのです。
この背景には、「出会い系サイト・アプリ」があります。本来、「出会い系サイト・アプリ」の運営者には、利用者が18歳未満ではないことを証明するための個人確認が義務化されています。しかし海外のサーバーへと移動し運営者がわからないような闇サイトとなっているケースや、登録する未成年本人が虚偽の申告をするというケースも多くみられているのです。
また、「出会い系サイト・アプリ」に興味を持つ中高生も多く「実際に閲覧してみたことがある」と答えた中高生は15%に上ります。
子ども達が巻き込まれやすい被害として、最近増えているのが「自撮り被害」です。児童・生徒が騙されて自ら撮影した裸の画像を送付させられる被害は、児童ポルノ被害のうち約4割を占めており、多くはSNS経由で加害者と出会っています。年齢や性別を偽って登録した相手を、同世代の同性だと信じてしまうケースもあるのです。
子どもを守るために絶対欠かせない「フィルタリングサービス」
子どもをこのような被害から守るために必要なのが、「フィルタリングサービス」の活用だと高橋さんは語ります。「フィルタリングサービス」とは、子どもに適さない有害サイトやアプリを自動的にブロックする機能。現在、携帯電話会社各社が「フィルタリングサービス」を提供していますので、これらを活用することで出会い系サイトなどへのアクセスを防ぐことができます。また、使用する子どもの年齢によって、出会いにつながるSNSの利用を制限することも可能です。なお、18歳未満には「フィルタリングサービス」の設定が義務付けられていますので、必ず利用しましょう。
万が一トラブルに巻き込まれたとき、早期に対応するためには、子どもがすぐに相談できる関係性を築いておくこと、そして親を「自分の味方になってくれる」「話を聞いてくれる」相手だと認識していること重要です。フィルタリングサービスを利用しつつ、子どもとのコミュニケーションの取り方も見直してみると良いかもしれません。
【参考】
※電気通信事業者協会ホームページ
https://www.tca.or.jp/
※大手携帯電話会社 フィルタリングサービス(五十音順)
株式会社NTTドコモ
https://www.nttdocomo.co.jp/service/filtering/
KDDI株式会社
https://www.au.com/mobile/service/filtering/
ソフトバンク株式会社
https://www.softbank.jp/mobile/service/filtering/
https://www.ymobile.jp/service/filtering/
情報提供元: WomanSmartLife