「買い物を変え、毎日を変える」イオンネクスト八王子CFCが本格稼働!AIコンシェルジュと最先端ロボティクスが描く“未来の日常”
イオンネクストが展開するネット専用スーパー「Green Beans(グリーンビーンズ)」が、千葉・誉田(ほんだ)に続く国内2拠点目となる大型物流拠点「八王子CFC(顧客フルフィルメントセンター)」の稼働を10月22日に開始。これに伴い、同日にメディア向けのお披露目会が開催されました。
会場では、イオンネクスト株式会社 代表取締役社長の野澤知広氏が登壇し、Green Beansの歩みとこれからの戦略をプレゼンテーション。
Google Cloudの技術を活用して開発を進めている次世代購入体験「AIコンシェルジュ」の全貌や、八王子CFCに導入された最新鋭の自動化設備が明かされました。
野澤社長によるプレゼンテーションの詳細とともに、取材陣が実際に目の当たりにした最先端物流センターの現場レポートをお届けします。
Green Beansの歩みと生活者の買い物課題
会の冒頭、野澤社長はサービス開始からの歩みを振り返りました。
Green Beansはサービス開始から約3年が経過し、累計会員数は120万人を突破。
配送エリアも東京23区・22市をはじめ、千葉、神奈川、埼玉、茨城の計95市町村へと大きく拡大しています。
ブランドが掲げるミッションは「買い物を変える、毎日を変える」とし、単に商品を届けるだけでなく、生活者にゆとりある時間を生み出す「生活インフラ」を目指してきました。
野澤社長はスライドを示しながら、現代人が抱える食事の支度ストレスに言及。
「最大のストレスは『毎日の献立を考えること』であり、約半数の方が負担に感じています。」
と語ります。
総務省のデータによると、生活者が1年間に買い物に費やす時間は約158時間、運ぶ荷物の総重量は年間約780kgにも上るとのこと。
「これまでのネットスーパーは『運ぶ』重労働こそ代替できましたが、小さなスマホ画面で商品を探し、比較して選ぶという『頭脳労働』は生活者に丸投げのままでした。私たちはこのプロセスそのものを根本から変えていきます。」
と力を込めました。
エージェンティック・コマースと「AIコンシェルジュ」
その解決策として発表されたのが、Google CloudのマルチモーダルAI技術を活用して開発中の「AIコンシェルジュ」です。
会場では、実際の利用を想定したデモ動画が公開されました。
紹介された購入体験は以下の5つのステップで進行します。
1. カメラ撮影による献立・食材提案:自宅の冷蔵庫にある食材(豚肉やじゃがいもなど)をスマホで撮影して送信すると、AIが画像を認識。特売情報や旬の食材と組み合わせ、おすすめメニュー(カレーなど)を提案し、不足している材料だけを一括でカートに投入。
2. 併売商品のレコメンド:過去の購買データから、カレーに合わせた「福神漬け」などをAIが自然に提案。
3. よく買う商品の提案:購買サイクルを分析し、前回購入から1週間経った牛乳や卵など、切れそうな日用品を先回りして提案。
4. 配送枠の提案:利用履歴に基づき、受け取りやすい最適な時間枠を提示。
5. 音声操作で注文・決済完了:文字入力の手間なく、音声対話のみでスムーズに注文が確定。
夕食後の21時に残った食材をスマホで撮って相談すれば、翌朝7時の出勤前にはもう商品が玄関先に届く――。
野澤社長は、
「私たちが目指すのは、一人ひとりに寄り添う頼れる執事のような『マイコンシェルジュ』です。」
と、買い物のあり方を根底から変えるビジョンを語りました。
八王子CFCの特徴・自動化設備と商品力の紹介
続いて紹介されたのが、この革新的な顧客体験を裏側で支える「八王子CFC」
中央道・八王子インターチェンジから約1.5kmの場所に位置し、敷地面積は約5万4,000㎡、延床面積は約4万㎡を誇ります。
東京西部や神奈川エリアへのアクセスが飛躍的に向上し、首都圏を幅広く網羅する体制が整いました。
最大の特徴は、先行する誉田CFCから大幅に進化した自動化設備です。
●冷凍自動化システム「AutoFreezer(オートフリーザー)」:冷凍エリアの保管からピッキングまでを完全自動化。入荷処理スピードは誉田比で2.7倍に向上し、保管面積を半減させながら在庫量を1.5倍に拡大。
●アーム型ロボット「OGRP」:商品をピッキングして買い物袋へ詰める作業の約半分をロボットが担い、スタッフの身体的負荷を大幅に低減。
さらに、徹底した温度管理(コールドチェーン)による1週間鮮度保証「鮮度+(プラス)」や、精米したての米を冷蔵で届けたり、ゴミ捨ての手間を減らすラベルレス商品など「ネット専用スーパーだからこそ提供できる価値」を一層強化していく方針を示しました。
【現地レポート】記者が見た「八王子CFC」の内部と最先端ロボティクス
プレゼンテーション終了後、記者陣は普段立ち入ることのできない八王子CFCの施設見学へと案内されました。
見学フロアに足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのは見渡す限り広がる巨大なグリッド(格子状のレール棚)。
その上を、無数のロボットたちが縦横無尽かつ規則正しく滑るように疾走していました。
AIの管制のもと、ミリ単位の精度でコンテナを引き上げ、目まぐるしいスピードで商品を仕分けていく光景は圧巻の一言です。
一方で、現場には人間のスタッフの姿もあります。
しかし、従来の倉庫で見られるような「重い荷物を抱えて広いフロアを歩き回る」作業はありません。
ロボットが目の前まで運んできた商品を、スタッフが丁寧に確認しながらパッキングするなど、人とロボットが見事な連携を見せていました。
続いて取材班はチルドエリア、そしてマイナス20度前後に設定された冷凍エリアへ。
扉が開いた瞬間、身を切るような猛烈な冷気が押し寄せてきました。
防寒着を羽織っていても数分で手足がかじかみ、息も白くなるほどの過酷な氷点下空間。
こうした過酷な環境下で人間が長時間にわたりピッキングや運搬作業を行うとすれば、身体にかかる負担とストレスは計り知れません。
しかし、その凍てつく空間の中で稼働していたのは、今回初導入された自動冷凍保管システム「AutoFreezer」でした。
人の手を一切介することなく、ロボットアームや自動昇降機が暗闇の冷凍庫内をスムーズに動き回り、商品を淡々と保管・出庫していきます。
「厳しい環境での作業をテクノロジーが肩代わりし、人の負担を減らしながら生産性を高める」という言葉の意味を、身をもって体感した瞬間でした。
テクノロジーによる生活スタイルの変化
献立に悩む「頭脳労働」をAIでスマートに解消し、物流現場の「過酷な労働」を最先端ロボティクスが肩代わりする――。
八王子CFCの稼働により、Green Beansは単なる便利な宅配網にとどまらず、人々の暮らしと働き方を豊かに支える次世代の社会インフラとして確かな進化を遂げました。
テクノロジーがもたらすこれからの生活スタイルの変化に、期待が高まります。