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BG 代表取締役の富松俊彦さんは、
「食料自給について、少し不安なニュースを最近聞くことが多くなってきました。普段買う野菜の価格が上がったり、皆様の生活の身近にそういった問題を感じる方も多くいらっしゃるかと思います。私たちBGはその問題の原因として、“土壌の劣化”を挙げています。土本来の機能が弱まり、局地的な気温の上昇・豪雨といった気候変動への対応機能を失ったことで、農作物へ品質の低下や収穫量の低下が起きていると考えております。」
と日本の農業の課題を提示。
大量かつ効率的に供給することを目的とした現行のフードシステムでは、価格を決める指標が需要と供給のみとなっていました。
今の農業・流通構造では、食べ手がつくり手の取り組みや想いを十分に知ることができず、限られた情報の中で野菜を選ばざるを得ない状況となっていると説明。
そこで“土”を起点とした新しい食と農の運動「Next Green Revolution」では、フードシステムに生産・流通・消費という新しい全体観を持って、これからの環境変化に対応できる新たな経済合理性を創出することを目指すとのこと。
その実現を支え、農家・生活者・企業など様々な人々が活用できる2つの“土”を起点とした事業として、日本初となる「自然の生態系に近い良い土」という“おいしい理由”が見える野菜ブランド「Next Green Vegetables」と、“おいしく育つ土”をつくるワンストップソリューション「Next Green Method」を開発したと説明しました。
「Next Green Vegetables」は、ワンストップソリューション「Next Green Method」から生まれる、自然界の多様な生態系に近い良い土で育った、おいしく健康的な野菜を届けるブランド。
土壌の価値を可視化する「Agri LCA+」で土の評価を行い、土壌の価値をグラフとして可視化。
その土壌から栽培され「Agri LCA+」の基準をクリアした野菜を提供します。
発表会では「Next Green Vegetables」の野菜と、慣行栽培の野菜の食べ比べも行われ、食べた際の甘みやうまみが全く異なることがよく分かりました。
「Next Green Vegetables」はクイーンズ伊勢丹・東急ストアなどでのポップアップ販売を経て、2025年秋に正式にローンチ予定。都内のスーパーなどのショップインショップとして、2030年には300店舗の展開を目指すと語りました。
一方「Next Green Method」は、おいしく育つ土をつくる「Soil Solution」、その土壌の価値を可視化する「Agri LCA+」、その好影響を価値に変換し、農家に経済的リターンとして還元することで土づくりを資金的に支える「Next Green Credit」の3つのソリューションをワンストップで提供。
本事業は日本の農業を支えている北海道からスタートし、その後に関東甲信越・九州をはじめ、全国へと展開予定となっています。
発表会では、国立研究開発法人理化学研究所 植物-微生物共生研究開発チームの市橋泰範さんが登壇し、Next Green Methodが目指す土と一般的な(化学肥料などを使用した)畑の土の比較も実験形式で披露。
左側が一般的な畑を模した土、右側がNext Green Methodが目指す土。
水にさらされた際の土の崩れ具合や水の浸透、色素の土壌への吸着具合が全く異なっており、取材に訪れた記者からも「おお!」と思わず声があがる結果となりました。
無農薬や土壌に対してこだわり、本当に安全でおいしい野菜を提供する農家の農業経営に対し、適正な評価・価格を行うことを目指す「Next Green Revolution」
しかし、現在日本国内ではサステナブルな栽培方法で採れた野菜は正しい評価を得られているとは言いづらく、まだまだ推進が遅れているのが現状。
本プロジェクトが本格始動して全国の農家へ広がることで、私たち消費者が安心・おいしい野菜を食べる機会の増加に繋がるでしょう。
現在ヤンマーホールディングスや東京建物、日鉄興和不動産が事業共創を通じて参画しており、今後正式に事業が展開され、日本全国にこのプロジェクトが広がっていくことが期待されます。