朝晩は肌寒くなり、そろそろ“風邪の季節”がやってきます。日頃の予防対策はもちろんのこと、風邪の症状を悪化させないため、ひきはじめにできる対処法をアーユルヴェーダの視点からご紹介します。
アーユルヴェーダの風邪対策1 消化力を上げる
鼻水や痰が出たり、だるくなったり、悪寒がするといった症状など、皆さんが「風邪かな?」と感じる時はどんな時でしょうか?
アーユルヴェーダでは、このような症状が現れた時は、生命エネルギー(トリドーシャ)のバランスが乱れて消化力が低下した結果、体内にアーマ(未消化物)がある状態と考えます。
簡単に言えば、消火力が弱くなり、食事をしても消化不良を起こし、体に栄養が行き渡らず体力が落ちて免疫力が弱くなっている状態。
先に挙げた風邪のひきはじめの諸症状は、体の持つ浄化機能(ホメオスタシス)が働き、本来の健康な状態に戻す過程でこのような状態が現れるのです。
このため、ア-ユルヴェーダは消化力を上げ、できてしまったアーマを取り除くことをおすすめしています。症状別に対処法をみていきましょう。
熱が上がらず、鼻水、鼻づまり、せきや痰、頭痛が出る場合
食事をお粥やスープ等、消化しやすい液体に変えることもいいでしょう。また、体力に問題がなければ、お腹がすいて食欲が湧くまで飲み物だけにすることもおすすめです。
この際、酸味塩味を持ち消火力を上げるとされている「梅湯」をいただくことも○。
悪寒やだるさ、関節痛がある場合
まずはしっかり体を温めましょう。しょうが葛湯などを飲むと体を温めてくれますし、しょうがは消化促進効果もあります。
体を温めるため、湯たんぽやカイロを持ち歩いたり、マフラーやストールなどで首の周りを温めたり、靴下の重ね履きなど足元の防寒も行いましょう。汗が十分に出た後は着替えも忘れずに。
アーユルヴェーダの風邪対策2 オーラルケア
昨今、さまざまな病気予防と関連が深いといわれる口腔ケア。口腔内の雑菌により、肺炎やインフルエンザの罹患率が上がるともいわれています。
こまめに歯科医院でケアしてもらいながら、日頃のケアにアーユルヴェーダのオーラルケアを加えてみませんか。
舌磨き
朝の舌の状態をチェックし、舌磨きブラシやタングスクレーパーで優しく3,4回程度、舌のこけ(舌苔)を取り除きます。アーユルヴェーダでは、舌苔もアーマの一つと考えます。
舌苔を取り除くと、雑菌が減り、口臭を予防する以外にも、免疫や消化力が上がるとされています。また、唾液の分泌が増える、味覚がよくなるなどともいわれています。
ただし、やりすぎは、舌を傷つける場合もありますので製品の使用上の注意をよく読んで使用しましょう。
オイルうがい
お水などでのこまめなうがいももちろんですが、朝のオイルうがいもおすすめです。
太白ごま油を大さじ1~2杯程度口に含みゆっくりぶくぶくと口の中でオイルを移動させます。そのまま5分程度続けると、口の中のオイルが軽く感じてきます。
その後、ティッシュペーパーなどに吐き出したら、お湯でうがいをします。直接排水溝に吐き出すとつまりの原因になるので注意しましょう。オイルうがいでしか味わえないさっぱり感です。
オイルうがいを習慣化すると、唾液の分泌が良くなり、口腔内やのどが乾燥しにくくなるとされ、歯や歯茎のケアにも効果があるといわれています。
また、口周りの筋肉を動かすことでフェイスラインをスッキリさせる効果があるので、美容の面からも続けることをおすすめ。
今回は、主に風邪の予防法についてお伝えしました。ただし、風邪を引いて体調を崩してしまったときは体が自然に治すために働いてくれています。無理をせずゆっくり休養をとりましょう。
情報提供元: Tonoel