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1970年代にコンビニおにぎりが登場し、手軽でシンプルな具材が人気となったが、2000年代初頭からは高級食材や銘柄米、包装技術の向上により「高付加価値商品」としての高級おにぎりが登場し、消費者の嗜好の多様化に対応して進化してきた。
その後は、地域限定やプレミアムシリーズが増え、健康志向の商品も展開された。現在ではサステナビリティも考慮され、手軽でありながら高品質な食品としての地位を確立している。
今回は、セブンイレブン、ローソン、ファミリーマート大手コンビニ3社の高級おにぎりを食べ比べてみる。いくらからが高級なのかは不明瞭であるが、各コンビニエンスストアのおにぎり売場を見てみると、概ね180円~280円前後の価格帯でコラボやシリーズ化されている商品が高級おにぎりと言えそうだ。
それでは早速レビューしていこう!
230年以上続く老舗米問屋「京都八代目儀兵衛」監修のもと、お米にこだわった全12種類の味がラインナップされている。
・北海道産炙りたらこ
・熟成いくら醤油漬け
・鮭すじこ
・炭火焼紅鮭切り身
・唐辛子味噌 長期熟成味噌使用
・梅と昆布佃煮
・炭火焼熟成紅しゃけ
・しゃけ
・ツナマヨネーズ
・北海道産昆布
・具たっぷり辛子明太子
・熟成旨味仕立て 紀州南高梅
今回はその中から「炙りたらこ」「牛そぼろ」「わさび真昆布」をレビューする。
原材料は、ご飯(国産米使用)、焼たらこ、塩/調味料(アミノ酸)、pH調整剤、酸化防止剤(V、C)。
食べた感想は、こだわりのお米が極めて美味しい。海苔もなく、お米が主役として引き立てっている。しっかり握られているが、食感はふわっとしており、本格的なおにぎりである。とにかくお米が特徴で、具が無くても美味しく食べられるクオリティーを備えている。具の焼たらこもハイレベルで、塩加減も最高だ。
原材料は、塩飯(国産米使用)、牛そぼろ煮(牛肉、醤油加工品、生姜、酒、味噌、砂糖、おろし生姜、植物油脂、だし)/pH調整剤、グリシン、(一部に小麦・大豆・牛肉を含む)。
まず、高級おにぎりのシリーズとしては、牛そぼろは非常にコストパフォーマンスが良い。
お米のクオリティーは同シリーズの特徴であるが、牛そぼろ煮とおろし生姜のバランスが非常に良く、とても美味しいおにぎりである。いつもとは少し違った具材を楽しみたい時にぜひおすすめしたい。
原材料は、御飯(国産米使用)、昆布佃煮茎わさび醤油漬たれ和え(昆布佃煮、茎わさび醤油漬、加工わさび、砂糖、澱粉こんにゃく粉)、塩/調味料(アミノ酸等)、pH調整剤、糊料(加工澱粉、増粘多糖類)、グリシン、香辛料、酸味料、香料、酸化防止剤(ローズマリー抽出物)、酒精、(一部に小麦・ゼラチン・大豆を含む)。
安曇野山のわさびを使用した和風のおにぎりである。こちらも120円台という価格を実現しており、費用対効果は極めて高い。
様々なおにぎりの具がある中で地味な存在かもしれないが、ほんのりとしたわさびの辛さと昆布の佃煮、お米との相性は抜群であった。量や食べ応えよりも、お米や具材の質を重視する大人におすすめしたいシリーズである。
ふっくらにぎり製法を使用し、まさにふっくらとした味わいを楽しめるシリーズである。
厳選された産地の国産米を、発売する地区ごとに米の配合割合で50%使用したブレンド米(金しゃり)を使用している。
原材料は、塩飯、いくら醤油漬け、のり(国産)/調味料(アミノ酸)、pH調整剤、増粘多糖類、(一部に小麦・いくら・大豆を含む)。
写真では少々見えにくいが、いくらの醤油漬けがたっぷりと入っている。国産海苔で巻かれたお米は、コンセプト通り粒立ちがしっかりしており、食べ応えは満点である。具材のいくらの醤油漬けは、お米との相性が良いだけではなく、プチプチとした食感が非常に素晴らしく、文句のつけようがない。300円近い価格帯であるが、食べ応えがあり、満足度の高い仕上がりとなっている。
原材料は、塩飯、牛肉煮、卵加工品、のり(国産)/増粘剤(加工澱粉)、調味料(アミノ酸等)、pH調整剤、酢酸(Na)、酸素、(一部に小麦・卵・牛肉・大豆を含む)。
おにぎりの具としては珍しい部類に入ると思うが、まさに卵につけたすき焼きを食べている感覚に等しい。写真でも分かるように、和牛煮がたっぷりと入っており、贅沢なおにぎりである。シリーズ共通の粒立ちが良く食べ応えがあるお米に、国産海苔のほのかな香り、そして贅沢に詰まった具。どれをとっても満足度が高い点が特徴である。
原材料は、塩飯、さけ塩糀漬焼、のり(国産)/調味料(アミノ酸)、pH調整剤、(一部にさけを含む)。
こちらもとにかく具がたくさん詰まっている。海苔がなければ、お米からはみ出してきそうな迫力である。塩糀漬で焼かれており、食感を保ちながらも柔らかく満足度が高い。
シリーズを通して300円近い価格ではあるが、お腹が空いてしっかりと食べたい時におすすめできる商品だ。食べ応えと具の存在感を重視する学生から大人まで、幅広い層におすすめできるおにぎりである。
「ごちそうになるおむすび」というコンセプトを持つ「ごちむすび」シリーズは、お米、海苔、具材の3つのこだわりを持った商品である。お米は国産コシヒカリ米を100%使用し、海苔は瀬戸内海産である。具材は美味しさと食べ応えにこだわり、産地を厳選している。
※北海道では仕様が異なります
原材料は、ご飯、焼銀しゃけ、海苔(国産)、食塩/pH調整剤、増粘剤、(加工デンプン)、酸化防止剤(V、C)、酢酸Na、リゾチーム、(一部に卵・さけ・大豆を含む)。
こだわりの贅沢米と瀬戸内海産の厳選等級海苔を使用している。具がかなり大きく、食べ応えがある。海苔の香りも良いが、お米や具の味付けが非常に素晴らしく、美味しいおにぎりである。
価格も200円台前半となっており、価格とクオリティーのバランスに優れ、費用対効果は非常に高い。
原材料は、ご飯、たらこ加工品、海苔(国産)、食塩/調味料(アミノ酸等)、酸化防止剤(V、C)、増粘剤(加工デンプン、増粘多糖類)、トレハロース、pH調整剤、着色料(紅麹)、(一部に小麦を含む)。
おにぎりの定番とも言えるたらこだが、こちらはこだわりの国産生漬たらこである。シンプルながら、おにぎりの具として非常に相性がよく、何度でも食べたくなる飽きのこない味付けである。
具が贅沢に入っており、お米の食べ応えがある点では、ローソンの「金しゃりシリーズ」に近い印象を受けた。
ファミマルの「ごちむすび」シリーズから、和食の名店「賛否両論」の笠原将弘シェフ監修の商品である。ツナはおにぎりの具としても定番であるが、一ひねり加えられており、興味をそそられる。味の構成は、居酒屋のおつまみとしても人気の高い、いぶりがっこチーズに着想を得たそうだ。
原材料は、ご飯、まぐろたくあんチーズ、醤油だれ和え(ツナ、たくあん漬、醤油だれ、和風調味液、チーズ、砂糖、でんぴん加工品、みりん、粉末だし)、海苔(国産)、食塩/糊料(加工デンプン、増粘多糖類)、調味料(アミノ酸)、酢酸Na、乳化剤、酒精、酸味料、リゾチーム、香料、(一部に小麦・卵・乳成分・さば・大豆を含む)。
まぐろのツナではあるが、非常にインパクトのある味付けである。一般的に人気のあるツナマヨとは異なり、マヨネーズではなくチーズを使用しているところが最大の工夫であろう。お米も粒が大きくツヤがあり、シリーズ共通の満足感に対する費用対効果が極めて高いおにぎりだ。
今回はコンビニの高級おにぎりを食べ比べてみたが、それぞれ明確なコンセプトや特徴を持ち、一概に「おにぎり」と一括りにできない違いがあった。食べ物の好みは人それぞれだが、少しでも参考になれば幸いである。
お米の美味しさを求めるなら…
セブンイレブンのセブンプレミアム「ご飯監修 京都八代目儀兵衛国産」シリーズに軍配が上がる。お米そのものの美味しさは圧倒的であり、ふわっとした食感が最高であった。まさにお米にこだわったシリーズである。
食べ応えや具の満足度を求めるなら…
ローソンの「ふっくら食感 金しゃり」シリーズがおすすめである。満腹感を得たい、お米も具も満足感が欲しい、そういったシーンに最適である。価格が最も高い点は評価が分かれるかもしれないが、それでも納得のクオリティーだ。
全体のバランスを求めるなら…
ファミリーマートのファミマル「ごちむすび こだわり贅沢米使用」シリーズで決まりだ。海苔、お米、具材のクオリティーが高いにもかかわらず、200円台前半での提供を実現している点は企業努力の賜物である。費用対効果という観点からも素晴らしいと感じる。
気になった商品があれば、ぜひ一度食べてみてほしい…!