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どろっとした口当たりで濃厚な味わいが楽しめることが特徴のにごり酒。見た目も白いにごり酒だが、朝日酒造の『久保田 純米吟醸にごり』は、すっきりとした口当たりのなめらかでフルーティな味わいとのこと。果たしてどのくらいすっきりとしているのか、実際におためししつつご紹介していこう。
1830年の創業以来、「久保田」をはじめとする人気日本酒を製造する朝日酒造(新潟県)。『久保田 純米吟醸にごり』(720ml瓶・希望小売価格 税込1,415円・発売中)は、2月20日より春限定で出荷する「にごり酒」だ。にごり酒は11月頃から出荷される冬の定番日本酒で、白く濁ったとろりとした口当たりで独特の風味と濃厚な味わいが特徴で、日本酒通に好まれている。このとろっとした口当たりが、好き嫌いが分かれるポイントだ(記者は好き)。
ではなぜ、にごり酒が白濁しているのか? 朝日酒造公式サイトによると、日本酒と造り方が違うからだという。日本酒は原料となる米・米麹・水をアルコール発酵させた「もろみ」に圧力をかけて搾り、酒粕と原酒に分ける「上槽(じょうそう)」を目の細かい酒袋で行うが、にごり酒は目の粗い酒袋でこすことが多く、そうすることでもろみに含まれる「滓(おり)」という固体が残って白濁した液体になるという。また、酒税法では上槽でもろみをこした液体のことを「清酒」としているため、にごり酒も清酒カテゴリーに含まれている。なお、にごり酒のアルコール度数は、22度未満と定められている。
今回ご紹介する『久保田 純米吟醸にごり』は、にごり酒でありながらすっきりとした口当たりでフルーティな味わいが特徴となっている。というのも、にごり酒を苦手とする理由の一つに、どろっとした口当たりという意見を受けて、すっきりとしたにごり酒を目指して造られたにごり酒だからだ。
淡麗辛口の日本酒として居酒屋などでもお馴染みの「久保田」は、1985年に誕生。朝日酒造を代表する銘柄となっているが、にごり酒になったのは『久保田 純米吟醸にごり』が初めて。日本酒ファンとしても、どんな味わいなのか気になるところ。
原材料は、米と米麹のみ。ベースとなる純米吟醸はアルコール度数を13度と抑えつつ、甘味と酸味が感じられる製法を取り入れているという。
それでは『久保田 純米吟醸にごり』をグラスに注いでいただいてみる。基本的には冷酒でいただくのがおすすめとのことで、冷蔵庫で冷やしてシンプルに飲むことに。
にごり酒ならではの雪のような白色が綺麗だ。瓶も2023年出荷分はベネチアンブルー瓶となっており、非常に映える。
グラスに鼻を近づけると、フレッシュで華やいだ良い香りが! そしてひと口いただいた瞬間、ぶわっとフルーティな風味が口の中に広がってくる。口当たりも非常にまろやかでさらりとしていて、後味もキレがありすっきりしている。これは飲みやすい! 日本酒を飲んだあとならではの、心地よい酔いも余韻として感じられる。
「にごり酒」という枠にとらわれず、飲みやすく魅力的な日本酒として、普段馴染みがない人にもおすすめできる味わいだ。日本酒ファンにとっては、にごり酒と「久保田」のイメージがいい意味で変わる1杯として、ぜひ飲んでみてほしい。
そのまま飲んでも美味しいが、すっきりフルーティなので、濃いめの味付けの肉料理や香辛料が効いた料理、チーズがたっぷり入ったパスタなどとペアリングしても合うとのこと。チーズが効いた料理とも合わせて飲んでみたが、『久保田 純米吟醸にごり』で口内がすっきりとリフレッシュされつつ、美味しくいただけた。
さらに、実はスパイスとの相性も抜群で、和のスパイス・山椒と大葉をプラスすることで、スパイス感がアクセントとなった1杯が楽しめる。ぜひ自分だけのアレンジもためしてみてほしい。
『久保田 純米吟醸にごり』は全国の「久保田」販売店や公式オンラインショップなどで購入可能。
※お酒は20歳になってから