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昨今の環境への取り組みは、文具にも広がっている。今回紹介するのは、全ての素材が紙でできているという2穴ファイルの『ペーパールーパー』だ。ファイルといえば、紙、プラスチック、金属など様々な素材でできたものを使ってきた記者だが、全て紙でできたファイルというのは環境の面でも注目したいアイテムだ。でも気になるのは使い勝手。本当に紙だけで収容できるのか試してみた。
昭和13年に創業した事務用品総合メーカーのLIHIT LAB.(大阪府)が発売する『ペーパールーパー』(5冊入り・希望小売価格 税込1,078円・2023年3月初旬発売)は、全てのパーツが紙でできた2穴ファイル。持続可能な社会を目指して、新たに考案された2穴ファイルだ。
表紙はもちろん、通常は金属やプラスチックでできているとめ具も全て紙というから、徹底した環境への配慮を感じる。
しかし、気になるのは紙できちんとファイリングできるのかということ。とめ具まで紙だと、耐久性が弱く書類がバラバラになってしまうのではないだろうか。
とめ具を見てみると、2穴に通す茶色の紐(とじ足)を発見。耐久性と柔軟性のある米袋と同じ素材が使われている。この紐を穴に通し、表紙と一体になった穴に入れることで、固定する構造のようだ。
表紙には再生紙を使用。一般的なファイルと大きな違いはなさそうだ。さっそくとじてみよう。
紐はやや硬めで、シャキッとしているが、曲げやすく扱いにくさは感じない。破れる心配もなさそうだ。
曲がりやすいプラスチックのような使い心地で自在に扱える。
パンチで開けた穴の大きさに対してほぼ同じ大きさなので、勢いよく入れて破らないように注意。
とじ足を抑えの穴に入れて、とじ足を引っ張れば完了。紐が自在に曲がり、かつ強度もあるので通しやすい。
紙がカタカタとブレずに安定している。2穴は紙が破れやすいデメリットがあるのだが、このブレが抑えられている分耐久性は高そうだ。とめ具の保持力が想像以上に強く、振動を与えたり振ってみたりしてもゆるむ気配は全くなし(50枚でも同様だった)。これなら安心だ。
このファイル、用紙1枚の時はスリムな形状だが、用紙の収容量に合わせてファイルの幅を変えられる優れもの。50枚収納すると、背幅が広がる構造となっているのでファイルが歪むことはない。とめ具は50枚でも1枚と変わらない使い勝手だ。とめ具を何十回と付け外ししてみると、紐が柔らかくなったり部分的に摩耗はしたが、ファイリングに問題はなかった。
最後に、おためしをしていて『ペーパールーパー』の隠れた魅力を1つ発見したのでお伝えしたい。それは、サイズ。一般的にバインダーは紙よりも大きめに作られているのだが、このバインダーはほぼA4と同じサイズ。特に高さ方向はギリギリまで小さく作られている。棚にしまったり鞄に入れたりするのに、このサイズ感はかなり助かる。小さいサイズを探している人にもおすすめのアイテムだ。
『ペーパールーパー』は文房具店の他、LIHIT LAB.公式オンラインストアでも発売中。