去る2024年3月20日(水)、横浜赤レンガ倉庫で【YOKOHAMA CAR SESSION ~若者たちのカーライフ~】が初めて開催された。 イベントの主催者であり、地元横浜育ちである後藤氏、本田氏、甲野氏の3人が1年掛かりで実現にこぎつけた。 ■YOKOHAMA CAR SESSION ~若者たちのカーライフ~とは? ▲左から甲野大輔さん(ホンダS2000)、後藤和樹さん(いすゞピアッツァ)、本田浩隆さん(シトロエンBX) (以下、オフィシャルサイトより転載)若者が所有するクルマ達約100台を横浜赤レンガ倉庫に展示! 35歳以下の若者達が、趣味として楽しむ自慢のクルマ達を展示いたします。場所はなんと横浜赤レンガ倉庫!!展示車両のレギュレーションは無く、国籍、年代問わず様々な車種が集まります。皆様ぜひ遊びにお越しください。 このときの印象は一足先に下記記事にまとめたので、ご一読いただければ幸いだ。 ●初開催『YOKOHAMA CAR SESSION ~若者たちのカーライフ~』を取材して思うことhttps://www.qsha-oh.com/historia/article/yokohama-car-session-2024/ 当イベントに参加していたクルマを2回に分けて、1台ずつ紹介していく。今回は「日本車編」(輸入車編は次の記事で)。 ■トヨタ&レクサス 今回の展示車輌のなかでは12台と、国産勢で最大勢力を誇ったトヨタ&レクサス。1980年代〜90年代のクルマが多かったのが印象的。ということは、オーナーよりも年上のクルマを所有していることになる。 ハチロクことAE86はもちろんのこと、稀少なMRスパイダーをはじめ、俳優の永瀬正敏がCMに登場していたカレン、JTCCでも活躍したカローラエクシブなど、お父さん世代には懐かしいモデルが並んだ。 ■日産 日産車は5台。ステージア260RSや、180SX、スカイラインGTS-t タイプMなど、根強い人気を誇るモデルが並ぶほか、7代目サニーや3代目ラルゴといった、当時のファミリーカーが展示されていたのも新鮮だった。ノンジャンルらしい、このイベントならではの風景かもしれない。 前車3台は淘汰が進み、すでに保存の域に入っているだろうが、後車2台は実用車ゆえの悲劇で、数が売れても廃車にされてしまい、後世に残りにくい。貴重な生き残りともいえるので、(大変なこともあると思いますが…)末永く乗っていただければと思う。 ■ホンダ ホンダ車は9台。懐かしのCVCCシビックオーナーはなんと新潟県から自走してのエントリーだというから驚きだ。 その他、ホンダS2000やS660といったスポーツ系から、「カッコインテグラ」でおなじみの2代目インテグラをはじめ、リトラクタブルヘッドライトが特徴的な3代目アコードなど、最近ではめったに見掛けなくなった懐かしいモデルもエントリーしていた。失礼ながら「ホンダ地獄」などといわれるほど純正部品の確保が難しいモデルも多い。にも関わらず、素晴らしいコンディションを維持している若きオーナーの皆さんたちの熱量が伝わってきた。 ■マツダ マツダ車は2台ともユーノスロードスターがエントリー。2台ともオリジナル度が高い個体だった。いずれもナンバーを移設しているということは1.6Lモデルだろうか。 元NAオーナーとしてはオーナーさんに声を掛けたかったのだが、タイミングが合わず。今度取材させてください!それにしてもNAロードスターと赤レンガ倉庫の組み合わせは画になる。 ■スバル スバル車では唯一のエントリーとなった4代目レガシィツーリングワゴン。レガシィツーリングワゴンの完成形ともいえるスタイリングは、実はもうデビューしてから20年以上(2003年)経っているとは思えないほど古さを感じさせない。 私事で恐縮だが、恩師が歴代レガシィツーリングワゴンを所有していたり、当時の勤め先の社用車がこのレガシィツーリングワゴンだったこともあり、懐かしさのあまりしばらく眺めてしまった。 ■いすゞ いすゞ車は2台がエントリー。いすゞが国内で乗用車の販売を終了したのが2002年。それから22年。今回、エントリーしたオーナーさんたちは当時小学生くらいだろうか。 おじさん世代が当時を懐かしんで、あるいは新車ワンオーナー車として所有しているならいざ知らず、若い世代の方がこうして大切に所有していることに思わずぐっときてしまった。世代を超えてピアッツァが愛されていることをジウジアーロが知ったら喜ぶに違いない。 ■ダイハツ ダイハツからは唯一のエントリーとなった4代目ミラ。そして懐かしのTR-XXアバンツァート!このモデルも残りにくいモデルのひとつだろう。純正部品はほぼ欠品&製造廃止状態だと思われ、各種トラブルに加えて部品の確保にも苦労されているのではないかと推察する。いちど、オーナーの方にこのクルマへの想いを伺ってみたい。 ■まとめ:クルマに興味がない人も楽しめるホスピタリティあふれるイベント こうして振り買ってみると、昭和の終わりから平成初期に掛けて街中でひんぱんに見掛けた日本車の展示車輌が多かったように思う。 当時を知る世代にとっては懐かしいクルマばかりで、たまたま現地を訪れたであろう人たちのテンションがあがり「おじさんホイホイ状態」になっていた(笑)。また、道行く若いカップルも展示車輌をじっくりと眺めているのも確認できた。 この種のイベントはどうしてもスポーツカーにスポットライトがあたりがちだ。たしかにその方が華やかになるし、同じクルマが何十台も並ぶ光景(しかも横浜赤レンガ倉庫で)は壮観だ。 しかし、他のイベントではなかなか見掛けないモデルやさまざまなメーカーを一同に介するノンジャンルとしたことで、1台1台をじっくりと眺めることができた。その方が結果的にたまたま横浜赤レンガ倉庫を訪れた来場者の人たちも楽しめたに違いない。 自分たちだけでなく、来場者にも(クルマに興味がない人にも)楽しんでもらう。そんなホスピタリティあふれるイベントだったことはたしかだ。 今回のような絶妙な塩梅を創り出すのは、簡単なようで、実はものすごく難しい。 この雰囲気を残しつつ『YOKOHAMA CAR SESSION ~若者たちのカーライフ~とは?』を継続していくには、主催者である後藤氏、本田氏、甲野氏の存在が欠かせないものとなっていくだろう。 主催者が変わると、イベント自体の雰囲気もガラリと変化する。さまざまなご苦労があると思うが、ぜひ来年以降も続けてほしいと思う。 [ライター・撮影/松村透]
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