ランドクルーザー(以下、ランクル)といえば、過酷な環境下や悪路でも走行できるクロカン車として世界中で人気のモデルです。ランクルの中でも1980年8月~1990年1月まで製造・販売されていた60系ランクルは大型ボディの元祖高級路線ランクルとして人気を集めています。しかし、購入したくても「クラシックランクルは維持費が大変そう……」と心配している方もきっと多いですよね。この記事では60系ランクルにかかる維持費について解説いたします。 60系ランクルの特徴 60系ランクルはヘビーデューティーユースの40系ランクルと一線を画す大型ボディの高級路線ランクルとして1980年にデビューしました。居住性やインテリアがラグジュアリーなものになりましたが、走行性能はランクルブランドとして妥協を許さないものとなっており、消防車に採用された実績もあります。アニメではシティハンターの主要キャラクター「海坊主」の愛車として登場し、絶大な人気を博しました。60系の後継は80系、100系、200系、300系と続いています。 60系ランクル維持費の内訳 60系ランクルの維持費について、5項目に分けて解説します。 燃料代 60系ランクルにはガソリンエンジンとディーゼルエンジンがラインナップされています。それぞれの実燃費を見ていきましょう。 ガソリン:約4km/リットル(街乗り)ガソリン:約7km/リットル(高速)ディーゼル:約7km/リットル(街乗り)ディーゼル:約8~9km/リットル(高速) 実燃費で比較しましたが、ガソリン車はかなりの大食いですね。できたらディーゼルを選びたいところですが、排ガス規制対象地域には乗り入れることができません。都市部に在住の方はガソリン車しか選択肢がないですね。 ここからは金額をシミュレーションします。 仮にガソリンエンジン搭載の60系ランクルを通勤で使用し月間1,000km走行した場合、ガソリンは約250リットル使用(*1) し燃料代は40,675円(*2) かかります。この条件で1年間走行した場合の費用は、488,100円(*2) です。*1 燃費は4km/リットルで算出*2 2022年11月27日のレギュラーガソリン1リットル当たりの平均価格162.7円で算出 年間のガソリン代は驚愕の金額に……。ちなみに約50万あれば、ニューヨークへ10日間ほど旅行ができます。 自動車税 都市部でも乗ることのできるガソリン車の上級グレード「ワゴン VX ハイルーフ」を例に自動車税を見ていきましょう。2022年11月現在、新車登録が2019年10月1日以後の3.5リットル超~4.0リットル以下(自家用)の自動車税は65,500円/年です。3,955㏄のガソリンエンジンを搭載した60系ランクルの場合は車齢13年超えのため重課税され、76,400円/年です。なんと、箱根の高級個室露天風呂付きの部屋に2名で1泊できる金額です。 任意保険 60系ランクル「ワゴン VX ハイルーフ」の任意保険について大手のネット型保険で見積もりをしました。 <条件>年齢:30歳等級:6E使用目的:通勤・通学運転者:本人限定 <補償内容>対人賠償(1名につき):無制限対物賠償(1事故につき):無制限対物超過特約(相手自動車1台につき50万円まで):なし人身傷害:あり(車内のみ補償)人身傷害(保険金額/1名につき):3,000万円入院諸費用特約:なし車両保険:なし 上記内容でシミュレーションしたところ、総額が約70,000円/年でした。意外と安く思うかもしれませんが、車両保険はつきません。古いクルマのため、保険会社は車両の価値はないものとして算出します。60系ランクルは新車価格を超えるプレミア価格で取引される場合が多いですが、事故を起こした際に車両保険で補償されないので注意しましょう。 車検 自家用車登録の60系ランクル「ワゴン VX ハイルーフ」車検代はいくらになるのでしょうか。 <ディーラー車検の場合>自賠責保険:20,010円(24ヶ月)自動車重量税:63,000円(24ヶ月)※初年度登録から18年経過で算出印紙代:1,800円車検料:80,000円合計:164,810円※車検料は内容、整備工場などにより費用は増減します ここで注目したいポイントは重量税です。60系ランクル「ワゴン VX ハイルーフ」の枠である2.0トン超~2.5トン以下区分の自家用車の場合、重量税は41,000円ですが、初年度から18年経過した車両については2段階増額され63,000円かかります。増額分は+22,000円……。増額分で休日価格のディズニーランドペアチケットを買ってもお釣りがきますね。また、古いクルマの場合は車検時に部品交換等の整備が発生する可能性が高く、車検代が一般的に高くなってしまうケースが多いです。 メンテナンス費用 最後にメンテナンス費用を見ていきましょう。60系ランクル「ワゴン VX ハイルーフ」のメンテナンスについては下記の費用がかかります。 ・洗車代・ワイパーゴム交換代・ウォッシャー液交換代・冷却水補充代・エアコンフィルター交換代・ヘッドライト交換代・エンジンオイル交換代・オイルフィルター交換代・ブレーキオイル交換代・エアクリーナー交換代 1年間でこれらの費用が発生します。5万円ほどを見込んでおけば良いでしょう。60系ランクル「ワゴン VX ハイルーフ」のタイヤ交換が発生する場合は大きなタイヤになるので+10万以上かかるケースもあります。 60系ランクル「ワゴン VX ハイルーフ」年間維持費はいくら? 維持費の内訳を見てきましたが、全てあわせるといくらになるのでしょうか。合計額を見ていきましょう。 <自家用車登録の60系ランクル「ワゴン VX ハイルーフ」年間維持費>ガソリン代:488,100円自動車税:76,400円任意保険:70,000円車検:82,405円(2年ごとにかかる費用の半額分)メンテナンス費:50,000円合計:766,905円 月額では63,900円ほどかかります。名古屋駅周辺の1k平均家賃よりも少し高いイメージです。2022年11現在、ガソリン価格が高騰しているため、燃費の悪いガソリンエンジン車乗りの財布には大きなダメージを与えますね。また、自動車税も重課税されてしまいます。 ローンで購入した場合は、さらに月々の返済が発生します。月極駐車場を契約する場合は、別途駐車場代が毎月かかります。東京都内で維持していくには10万円以上の維持費がかかるかもしれません。 60系ランクル「ワゴン VX ハイルーフ」プラドの維持費が高いと思ったときの対処法 旧車の維持には、現代のクルマよりもお金がかかるものです。特に60系ランクル「ワゴン VX ハイルーフ」のような大排気量で大型の車種は自動車税、重量税がかさむために費用が高くなります。さらに、古いクルマのため故障が増えて修理費用などが別途発生する可能性があるでしょう。もし、60系ランクル「ワゴン VX ハイルーフ」の維持費が高いと思ったら手放すことを検討してみてはいかがでしょうか。一昔前は10年落ち10万km以上走行したクルマは価値がないと言われていました。しかし、現在は空前の旧車ブームです。高く売却できる可能性があります。 ※2022年11月27日時点のデータです
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