中古車には「グレード」という項目が設定されています。グレードは日本語で「等級」「階級」と訳しますが、車のグレードとは具体的にどのようなものでしょうか。この記事ではグレードによる車の仕様の違いや、グレードの調べ方について詳しく解説します。 車のグレードとは 車のグレードとは、同じ車名、デザインの車について、性能や装備の違いを表すものです。車には人や荷物を乗せて移動する以外にも、付属するさまざまな機能がついています。付属機能には車内で快適に過ごすためのエアコン、音楽を楽しむためのオーディオ、ナビゲーションやドライブレコーダーなどが挙げられます。また、ガソリンや軽油、ハイブリッド、プラグインハイブリッドなど、複数の原動機が用意された車種もあります。 ユーザーが求める付属機能や原動機はさまざまです。そこで同じ車種でもいろいろなニーズに対応できるように、自動車メーカーは複数のグレードを設定しています。 車のグレードは車の購入価格や、下取り価格に大きく影響します。 グレードによって異なる項目 グレードによって異なる項目には、おおよそ以下の3つジャンルがあります。 性能 性能ではまず、車の走行性能に関係するものが挙げられます。原動機、具体的にはエンジンの違いやハイブリッドタイプによって、発揮できる出力が異なります。高出力なエンジンが搭載されていれば、加速性能は高くなります。その一方で燃費性能は低くなる傾向があります。ハイブリッドタイプは高い燃費性能が特徴ですが、車の価格は高くなることがほとんどです。ハイブリッドでもプラグインハイブリッドだと、日常的に充電することになり、車の使い方も変わります。 走行性能以外だとエアコン、オーディオ、ナビゲーションやドライブレコーダーといった付加機能の有無による違いがあります。 外観・内装 外観に関連するのはエアロパーツやホイール、ボディカラーなどです。ボディカラーには、価格に影響しない標準色と価格が高くなる特別色があります。 また、ルーフやピラーの色がボディカラーと異なるデザインも人気です。車両価格を抑えるならスチールホイールが望ましいのですが、デザイン性ではアルミホイールに劣ります。ただし、スチールホイールでも、プラスチックのホイールキャップによってデザイン性を高めたものもあります。 内装に関連するのはシートやドアの素材などです。塩ビ(塩化ビニル)のシートは安価ですが、触り心地はよいものではありません。主流は布地のシートですが、革製のシートも人気があります。 そのほか、ドアの内張もプラスチックや布張り、木目、カーボンクロスのプリントなど、その種類はさまざまです。 価格 上述の性能や外装、内装の違いは全て車両価格に影響します。最近の日本車の場合だと、2つか3つ程度のグレードが設定されており、それぞれ目安となる価格帯が決まってきます。さらにオプションとして、購入者の好みに対応できるようになっており、全て価格に影響します。 車のグレードに使用されることが多い記号 最近の日本車のグレードは、記号によって分けられる車がほとんどです。代表的な記号をいくつか挙げます。 C:コンフォート(快適)などを表す。比較的購入しやすいグレードに使われる。 G:ジェネラル(一般)などを表す。中間~上級グレードに使われる。 GT:グランツーリスモ。イタリア語で元々は長距離移動に適した車という意味であったが、主にレースを意識した仕様の車種に使われる。 L:ラグジュアリー(豪華)などを表す。 R:レース(競走)などを表す。走りの良さを重視したグレードに用いられることが多い。 車のグレードの調べ方 一昔前は車のグレードはエンブレムとして取り付けられていましたが、最近の車ではほぼ見当たりません。ここからはグレードの調べ方について解説します。 1.車検証で「車体番号」を確認する まずは車検証で「車体番号」を確認します。車体番号は1台ずつの車にそれぞれ割り当てられた番号です。車検証の左上あたりに記載されています。多くはアルファベットと数字の組み合わせになっています。 2.メーカー別専用ページでグレードを検索する 次に自動車メーカーのウェブサイトで検索します。車検証から確認した車体番号からグレードを調べることができます。(以下の表記は50音順です) スズキスバルダイハツトヨタホンダマツダ三菱日産レクサス(トヨタと同じ) 古い年式の車や輸入車のグレードの調べ方 先にご紹介した各自動車メーカーのグレード検索は、検索できる車の製造年が限られています。例えば、検索できるのは2000年以降に製造された車などといった制約があります。次から検索対象より前に製造された車や外国車のグレードの調べ方をご紹介します。 1.車検証で「型式指定番号」「類別区分番号」を確認する グレードが自動車メーカーの検索サイトで検索できない場合、車検証に記載されている「型式指定番号」と「類別区分番号」を確認します。この二つの番号は自動車メーカーではなく、自動車メーカーが新しい車を発売する前に、国土交通省が付与する番号です。 2.車両検査を行う企業のサイトで調べる 調べた型式指定番号と類別区分番号を、車両検査を行う企業の検索サイトに入力すると、自動車メーカーで分からなかった車のグレードも確認することができる場合があります。代表的な企業にはAISがあります。なお車両検査とは、中古車の価格を決めるための査定検査のことをいいます。
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