教養部化学教室の田中宏昌教授らが参加する共同研究グループが、モリブデン分子触媒を用いた次世代型アンモニア合成法の触媒機構を解明しました。

研究の概要

本研究は、世界最高性能を有するアンモニア合成触媒が窒素ガスと水をアンモニアに変換する仕組みを、実験と理論計算の両面から明らかにしたものです。田中教授は本プロジェクトにおいて、計算データの解析を担当しました。なお、モリブデン分子触媒とは、特定の化学反応を促進するモリブデンを含む分子です。また、アンモニアは現代の農業や産業を支える重要な化学物質です。

触媒機構の解明

研究グループは、実験と理論計算を組み合わせることで、これまで不明であった触媒反応の全容を解明しました。中間体のアナログ(類似体)を単離し、提案された触媒経路の直接的な実験証拠を提供しています。理論研究では、反応に関与する錯体の構造を示唆し、アンモニア生成がプロトン共役電子移動を通じて進行することを明らかにしました。これらの知見により、モリブデン―イミド形成反応がエネルギーを最も必要とする段階であることも特定されています。※本研究は、京都工芸繊維大学、京都大学、東京大学との共同研究による成果です。

論文情報

タイトル:Unveiling full mechanistic picture of Mo-catalysed nitrogen fixation driven by SmI2–H2O system
著者:Taiji Nakamura, Kazuya Arashiba, Asuka Konomi, Hiromasa Tanaka, Yoshiaki Nishibayashi, and Kazunari Yoshizawa
掲載誌:Nature Communications
DOI:10.1038/s41467-026-77505-0

まとめ

実験と理論の両輪で次世代型アンモニア合成法のメカニズムが解明されました。本研究の成果は、今後の窒素還元触媒の改良に向けた重要な指針となります。

関連リンク

https://www.nature.com/articles/s41467-026-77505-0
https://www.kit.ac.jp/2026/09/news260925/
https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2026-09-25
https://www.t.u-tokyo.ac.jp/press/pr2026-09-24-001

情報提供元: ぷれにゅー_かわいい
記事名:「 次世代型アンモニア合成法の触媒機構を解明 」