親が認知症になる前の子ども世代の意識調査報告書が公開
『親が認知症になる前の子ども世代に関する意識調査』は、親の認知症や介護に対して漠然とした不安を抱える子ども世代に向けた備えの重要性を明らかにした調査報告書です。
調査報告書の公開について
一般社団法人わたしらしく生きる認知症ネットワークは、2026年7月8日に開催したイベントでのアンケートおよびワークショップの結果をまとめた調査報告書『親が認知症になる前の子ども世代に関する意識調査』を公開しました。本イベントは、親が元気なうちからできる介護の備えをテーマとしています。
なお、本イベントは、行政書士・フリーランス介護士とともに立ち上げた共同プロジェクト「親の認知症と介護準備室」の取り組みの一環として、当法人が中心となって企画・運営したものです。
調査概要
調査名:親が認知症になる前の子ども世代に関する意識調査
実施日:2026年7月8日
実施方法:参加型イベントにおけるアンケート調査およびワークショップ(自由記述)
回答者数:28名(イベント参加者33名、回収率84.8%)
発行:一般社団法人わたしらしく生きる認知症ネットワーク(2026年7月)
主な調査結果
アンケート調査では、親の介護が始まった場合の仕事継続について、4人に3人が「不安がある」「続けられないと思う」と回答し、計75.0%に達しました。また、家族との話し合いが不十分であると回答した割合は53.6%にのぼり、介護休暇・介護休業制度の認知状況も50.0%にとどまっています。
ワークショップでは、健康やお金、終活など暮らし全体にわたる気がかりが102件寄せられました。一方で、一週間以内に実践できる行動として「親に電話をする」「会いに行く」といった具体的なステップが挙げられており、不安を抱えつつも行動へ向かおうとする姿勢が見られました。
本調査から見えた課題
参加者の不安は認知症という疾患そのものよりも、それをきっかけとした生活全体の変化に向けられています。備えの機会が乏しいまま介護に直面すると介護離職につながるおそれもあるため、企業を含めた組織的な支援体制づくりが求められます。(※総務省「令和4年就業構造基本調査」によれば、介護・看護を理由とする離職者は年間約10.6万人)
当法人では、今後も親が元気なうちからできる対話や学びの機会を提供し、安心して最初の一歩を踏み出せる社会づくりに取り組んでまいります。
まとめ
本調査は、認知症への備えが特別な準備ではなく、日常的なコミュニケーションから始められることを示唆しています。専門家や組織による対話の支援を通じて、仕事と介護の両立を含めた社会的な体制構築が重要です。