信州大学が、脂肪性肝疾患における大腸癌リスクに関する国際共同研究の成果を公表しました。

リサーチの主な点

本研究では、脂肪性肝疾患(SLD)の有病率、アルコール関連肝疾患(ALD)、代謝機能障害アルコール関連肝疾患(MetALD)、代謝機能障害関連脂肪肝疾患(MASLD)の患者の大腸癌リスクがそれぞれ対照群に対して1.73倍、1.36倍、1.28倍であること、さらにこの研究が信州大学、武蔵野赤十字病院、そしてUniversity of California, San Diego (UCSD)の国際共同研究であることが明らかとなりました。

研究について

2023年の提言により、脂肪性肝疾患(SLD)の分類基準が改訂され、新しい名称と分類が適用されました。この研究では、新たなSLDの分類基準を使用して、それぞれのサブタイプの中で大腸癌リスクを全国規模のコホートを対象に評価しました。

結果と将来の展望

研究の結果として、ALD患者の大腸癌発症リスクは対照群に比べて1.73倍、MetALD患者は1.36倍、MASLD患者は1.28倍高いことが明らかになりました。この研究から、SLD患者、特に飲酒量の多いALD患者を対象に大腸癌のスクリーニングプログラムの強化が重要なこと、そしてMetALDやMASLD患者に対する予防策の確立にも取り組むことが提案されました。
本研究結果はClinical Gastroenterology and Hepatology誌に掲載されました。論文のタイトルは「Colorectal Cancer Incidence in Steatotic Liver Disease (MASLD, MetALD, and ALD)」であり、DOIは10.1016/j.cgh.2024.12.018です。記事はこちらで閲覧可能です: https://doi.org/10.1016/j.cgh.2024.12.018
情報提供元: ぷれにゅー_かわいい
記事名:「 信州大学、肝疾患と大腸癌リスクに関する国際共同研究を発表