世界的に注目、肥満症治療薬ゼップバウンドの作用を紹介/日本肥満症予防協会・宮崎滋理事長
「肥満症」の治療薬「ウゴービ(一般名:セマグルチド)」は2024年4月に保険適用になり、それより約1年遅れの25年4月に保険適用になったのが「ゼップバウンド(一般名:チルゼパチド)」です。ウゴービの元祖は糖尿病治療薬の「オゼンピック」、ゼップバウンドの元祖は糖尿病治療薬の「マンジャロ」です。
今、世界的に注目されている肥満症治療薬ゼップバウンドの作用を紹介します。ゼップバウンドは、小腸から分泌されるホルモンの「GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)」と「GIP(グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド)」の両方が作用して、食欲を抑えます。
一方、ウゴービは「GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)」のみが作用する、という違いがあります。
当初、ゼップバウンドはGLP-1の血糖を下げる作用に問題はなかったのですが、GIPは逆に太らせる作用があるのでは、と考えられていました。それが研究によって、「GIPを薬で使う量にまで増やすと食欲を抑制する」ことが分かりました。ゼップバウンドはGLP-1とGIPのダブル作用により、ウゴービより効果の高いことが判明しました。この研究が報告された時は、糖尿病治療薬の「オゼンピック」と「マンジェロ」の時代でした。
そして、肥満症治療薬の「ウゴービ」と「ゼップバウンド」。どちらも人気の治療薬です。ただ、ゼップバウンドはウゴービより効果の高いことが分かっており、実際、体重の減量効果は5%程度ゼップバウンドが高いことははっきりしています。それが患者さんに広がり、患者さんは使う薬をウゴービからゼップバウンドに移行されている、という現状が見えてきています。(医学ジャーナリスト松井宏夫)