「脂質異常症」「痛風・高尿酸血症」「腎臓病」にスポット/日本肥満症予防協会・宮崎滋理事長
「肥満」が原因でドミノ倒しのように多くの健康障害へとつながっていきます。前回は「糖尿病」「高血圧」をとりあげました。今回は「脂質異常症」「痛風・高尿酸血症」「腎臓病」にスポットをあてます。
脂質異常症は、中性脂肪が問題となります。内臓脂肪が増えて太ってくると、中性脂肪を分解する酵素が減るので中性脂肪が増えます。加えて、悪玉のLDLコレステロールも増える一方で、善玉のHDLコレステロールは減ります。中性脂肪、LDLコレステロールが増えて、HDLコレステロールが減るのが内臓脂肪の蓄積と重なるので、動脈硬化を進めてしまいます。
次は、痛風・高尿酸血症。高尿酸血症は尿酸が多すぎる病気です。これが続くと関節に尿酸がたまり、激しい痛みを伴う痛風発作が起こります。この尿酸も肥満と大いに関係していることが分かっています。肥満の人たちは過食によって尿酸の前駆体のプリン体を過剰に取っているので尿酸が多く作られます。また、腎臓からの尿酸の排泄(はいせつ)が低下すると、やはり高尿酸血症になります。尿酸の多さは体重と比例しています。
そして、腎臓病は腎臓の働きが悪くなる病気です。その腎臓病には、肥満そのものが原因となる肥満関連腎臓病があります。30、40代で肥満の人はその内臓脂肪の増加がいくつもの健康障害を招き、高齢期になって人工透析に移行する人が多いのです。
BMI(体格指数)が23~25くらいの人は死亡率が低いのですが、25から上がるにしたがって死亡率が上昇します。これは欧米のデータで発表されています。まさに肥満はリスクだらけ。これをしっかり認識して対応すべきです。(医学ジャーナリスト松井宏夫)