土鍋は冬だけのもの?その常識を変える一台。PETARI新商品「Deep Pot」で楽しむ、一年中の土鍋生活
土鍋と聞いて、思い浮かべるのは寒い季節の鍋料理。多くの人にとって、土鍋は「冬の道具」かもしれません。でも、もしその土鍋が、春夏秋冬いつでも、もっと手軽に使える調理器具になったら?
9月9日、土鍋ブランド「PETARI(ペタリ)」が、新商品「Deep Pot(ディープポット)」の発表会&試食会を開催しました。スープや煮込み料理はもちろん、炒める、蒸すといった幅広い調理に活躍する、毎日の食卓を見据えた新しい土鍋です。
会場では、開発に込められた思いや使い方が紹介されたほか、三重県産の食材を使った「PETARI試食膳」も登場。実際にその味を確かめながら、素材本来のおいしさを引き出す「Deep Pot」と、土鍋の新しい魅力に迫ります。
「土鍋の何がいいの?」その問いから始まった
「土の鍋の何がいいのですか?」これは、PETARIを展開する株式会社G.M.P.代表取締役の熊本誠太氏が、学生時代にアメリカの展示会でバイヤーから受けた質問です。当時、うまく答えられなかったこの問いが、今も熊本氏の原点になっているといいます。
PETARIの源流は、1932年創業の銀峯陶器株式会社。国産土鍋の生産高の約8割を占める一大産地・三重県四日市市で、土鍋の国内トップシェアを誇る老舗です。熊本氏は同社の専務取締役も務め、製造から販売まで幅広く携わっています。
ブランド名「PETARI」は、耐熱陶器に欠かせない鉱石「ペタライト」と、陶器を意味する英語「ポタリー」を組み合わせた造語。運営会社G.M.P.の由来は、”Gathering Makes Peacefulness.”(団らんは平穏を生む)。「土鍋をたどっていくと縄文時代に行き着きます。人々が土器を囲んで団らんを楽しむ習性は、令和の今も続いていると考えています」と熊本氏は語ります。
冬だけの土鍋を、365日の道具に
「土鍋は冬の道具なのでしょうか」。熊本氏がずっと感じてきた疑問です。鍋料理のイメージが根強い土鍋ですが、そのポテンシャルは冬に限られたものではありません。「冬だけの土鍋を365日使える道具にしたい」という思いから、2020年にPETARIブランドが誕生しました。
これまでに、野菜を毎日おいしく食べるための浅型土鍋「シャローポット」、炊飯に特化した「ライスポット」を展開。そして第3弾となるのが、今回の「Deep Pot」です。スープや煮込み料理に向いた、深型の形状が特徴です。
Deep Potの魅力は、大きく3つ。1つ目は、素材の甘みや旨みを引き出す、土鍋ならではの優しい火の入り方。ゆっくり熱が入り、ゆっくり冷めていくため、肉や魚はジューシーに、野菜は甘みが増し、水分を逃さず仕上がります。
2つ目は、深さと丸みが生む、料理の幅広さ。内側の側面が丸い形状になっているため、煮込んだときの水分がうまく滞留し、熱を均一に広げてくれます。鍋の中ほどには段差があり、別売りの蒸し皿(後日発売予定)を乗せれば蒸し料理も楽しめます。
3つ目は、余熱調理ができること、そしてお手入れの簡単さ。土鍋は重くて取り回しが難しい印象がありますが、「Deep Pot」は重すぎず、洗って干すだけで特別なケアは不要。毎日気軽に使える設計です。
プロも驚いた、「出番の多さ」
発表会には、フードコーディネーターの西村麻佳さんがゲストとして登壇。Deep Potで28品のレシピを監修し、その使い心地を語りました。
西村さんがまず挙げたのは、土鍋の3つの良さ。「食材のおいしさを引き出してくれること」「余熱を生かした調理ができること」「温かいまま食卓に出せること」。じわじわと温度が上がる過程で素材本来の味が引き出されるため、調味料も少なく抑えられるといいます。
その上で、Deep Potを使って一番良かった点として「出番の多さ」を挙げました。「従来、煮る・蒸すは土鍋でもできましたが、Deep Potは炒めることも可能なんです」。土鍋は急激な温度変化に弱く、炒め調理はひび割れのリスクからできないメーカーも多いなか、Deep Potはそれを実現。さらに電子レンジにも対応しています。
土鍋と聞くと、少し料理上級者向けの道具というイメージもありますが、西村さんいわく、初心者にもおすすめだといいます。「緩やかな温度変化で火加減に神経質にならなくても、おいしく仕上がります。多少切り方がバラバラでも、程よく食感を残して仕上げてくれる。調理スキルに関係なく、誰が作ってもおいしくなるんです」。
試食で実感、素材が持つ本来の力
発表会では、Deep Potで仕上げた「PETARI試食膳」も提供されました。メインは、三重県産の豚バラ肉とみそを使った鍋焼き豚汁。里芋、長ねぎ、大根、ごぼう、人参など、具材がゴロゴロと入っています。
一口食べて驚いたのは、素材の甘みでした。とくに野菜。ごぼうや人参は皮付きのままですが、皮までやわらかく仕上がっています。それでいて、野菜ならではの噛みごたえもしっかり残っていました。大きめに切られた具材も煮崩れせず、中までほっくりとした仕上がりです。
肉は、炒めたことで甘みと香ばしさが増し、油の香りが立って食欲をそそります。さらに、土鍋で炊いた三重県産米の白ごはんは、一粒一粒がしっかり立っていて、お米が持つポテンシャルを存分に引き出していました。添えられた伊勢たくあんとともに、地元・三重の恵みを味わう一膳です。
西村さんによれば、この鍋焼き豚汁は軽く具材を炒めたあと、火にかけてから15分ほどで仕上がり、出汁も使わず水だけで作っているそう。具材を最初にしっかり焼き付けることで、香ばしさのある、いつもとは少し違った味わいになるといいます。
土鍋のある暮らしを、もっと身近に
Deep Potは9月18日(金)発売。新色「ライムストーン」を用意し、直径18センチ(1〜2人向け)で価格は税込9,900円。直火、電子レンジ、IHヒーター、オーブン(本体のみ)に対応します。年内にはひとまわり大きい21センチサイズも予定しているとのこと。
「PETARIというブランドを通じて魅力を発信することで、土鍋が気づけば春・夏・秋とキッチンに置いてある存在になっていけるように」と熊本氏。今後は土鍋にとどまらず、どんぶりやほかの器など、暮らしの中で使える耐熱陶器のアイテムも展開していく考えです。
土鍋は、冬の特別な日だけの道具じゃない。忙しい毎日の食卓にこそ、寄り添ってくれる。Deep Potは、そんな新しい土鍋との付き合い方を教えてくれます。この一台をきっかけに、「土鍋のある暮らし」や「料理の楽しさ」を感じる人が、一人でも増えていくのかもしれません。
<取材・写真・文/双海しお>