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同じ文字ですが、逆さまにすることで「かち」「まけ」の両方に読むことができるのだそうです。うわ~これはおもしろい!全く知らない世界だったのでワクワクします。
今回話題になっている『宝石の国』のアンビグラムについて、制作を思い立ったきっかけについて伺ったところ、「私は元々漫画『宝石の国』の一読者でして、単行本の表紙を眺めていたときにふと、『宝と国って形が似ているな』と気づいたのがきっかけです」と教えてくださいました。
ただこの出来事、数年前の話なのだそうで、「当時はまだアンビグラム制作の経験が少なかったこともあり、なかなか形が整わず結局お蔵入りしてしまいました」と一度は制作をあきらめかけたのだとか。しかし最近になって、『宝石の国』の漫画が完結し、再チャレンジ。「アンビグラム制作のノウハウも(ある程度)身についた今、改めて挑戦し出来上がったのが今回の作品です」と制作の経緯を語ってくださいました。一度お蔵入りした作品をこのタイミングで完成させるのはかなり努力のいることだったと思いますが、無事やり遂げたんですね。なんて素敵なエピソード!
『宝石の国』のアンビグラムでこだわったポイントについて尋ねると、「『宝』と『国』には直線を用いて鉱物の無機質さを、そして『石』と『の』には曲線を用いて内に宿る心の機微を表現した点がこだわりです」との回答が。また苦労した点は、「シンプルな字形なので、その静けさを損なわないよう全体のバランスを整えるのがとにかく難しかったです」と教えてくださいました。改めて画像を見てみると、たしかに無機質さと優雅さが共存していて、静けさも感じられ、うっとりと眺めていたくなる完成度の高さ!文字がここまでの作品になるとは、驚きです。
オルドビス紀さんがアンビグラムを作るようになったのは、『天使と悪魔』という小説がきっかけなのだとか。アンビグラムが物語の重要なカギとなっているこちらの小説を読み、「試しに作った作品をX(当時はTwitter)に投稿したところ、思いの外反応が多かったのが嬉しくて継続的に制作するようになりました」と本腰を入れて制作を始めたのだそうです。そんなオルドビス紀さんが始めてXに投稿したアンビグラムがこちら。
逆さにすると白文字で「平家物語」が浮かび上がる作品。デザインも凝っていて、最初の投稿とは思えないクオリティです!
他にも、名作の物語にちなんだ3つの作品も見せてくださいました。みなさんは読めましたか?左から、「桃太郎」、「眠り姫」、「西遊記」です。どれもアンビグラムとしての完成度もさることながら、画像の雰囲気もとっても素敵!コレクションしたくなるような魅力がありますよね。
最後に、今回の投稿に対する反響について伺うと、「今回の作品は、アンビグラムと『宝石の国』という、私の2つの『好き』が交ざりあって生まれたものです。これほど多くの方々に逆さで読める面白さに驚いてもらえ、また原作の面影を感じ取ってもらえたのであれば、この上ない幸せです」とその大きな喜びを語ってくださいました。原作の良さとアンビグラムの楽しさ、その両方が伝わる素晴らしい作品でしたよ!
オルドビス紀さんは、他にもX上で様々なアンビグラムの作品を投稿されています。気になる方は、ぜひオルドビス紀さんのXアカウントをチェックしてみてくださいね。今後の活動も楽しみにしています!
取材協力者:オルドビス紀