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File no. 145
《Kinloch Anderson/キンロック・アンダーソン》
英国のトラディショナルなファッションには欠かすことのできないタータンチェック。
現在では、数多くのアイテムに採用され、目にする機会も増えてきたが、実はこのタータンチェックはスコットランドの民族文化と深く関わっており、民族衣装にも採用されるほど由緒ある
柄。
正統なタータンチェック柄は、今現在もスコットランド政府の登録局『スコットランド・タータン登記所』によって厳密に管理されている。
そんな由緒あるタータンチェックの歴史を辿っていくと、とあるテイラー&キルトメーカーと出会うことになる。
それは、英国の伝統を今に伝える正統派の老舗ブランド《キンロック・アンダーソン》だ。
今回はタータンチェックを語る上で欠かせない、名門の歴史に触れてみる。
この《キンロック・アンダーソン》は、1868年にスコットランドのエジンバラで創業。
以来、テイラー&キルトメーカーとして誠実なものづくりを続け、伝統的な多数の"クランタータン"やその他の高級既製服の製造元として知られるようになった。
ちなみに、この"クランタータン"とは、スコットランドの由緒ある氏族(クラン)と、その家族が身に着けることができるタータンチェック柄の総称。
日本では"家紋"に例えられることもあるが、これは行事で一族が集まる際や伝統的な催しなどで着用されるものだ。
類い稀な技術力と誠実なものづくり、英国の伝統を伝えるブランドとして認められた同社は、英国内はもとより国際的にも高い評価を獲得。
クランタータンに限らず、有名校のタータンチェックを製作するなど、教育現場をはじめとする幅広い分野においても貢献した。
それら多くの功績が認められ、エリザベス女王、エジンバラ公、国王チャールズ三世により、ロイヤルワラント(王室御用達)の栄誉を授与されている。
英国には歴史ある名門が多く、各カテゴリーにおいてロイヤルワラントを授与されているブランドは多数存在するが、3つものロイヤルワラントを保持するブランドは希少な存在だ。
このロイヤルワラントが物語るのは、英国の歴史と伝統が同社とどれほど深く結びついているかだろう。
また、今現在も英国王室で使われているタータンチェックの多くは《キンロック・アンダーソン》が献上しているという。
写真の「レジメンタルパンツ」は、そんな由緒ある歴史を持つ名門の正統派タータンチェックトラウザーだ。
クラシックで本格的な技術と、歴史に裏打ちされた本物の魅力が堪能できる一本となっている。
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