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File no. 134
《RHODIA/ロディア》
日本は"文具大国"と呼ばれるほど、ステーショナリーが盛んな国だ。
世界に名だたる優秀な文具メーカーが多数存在し、それらの文具メーカーが切磋琢磨して誕生させてきたステーショナリーの数々は、日本はもちろん、世界中にファンを抱える。
そんな文具大国、日本において、海外勢にも関わらず不動の地位を確立している人気ブランドがある。
それは、フランスが生んだステーショナリーブランド《ロディア》だ。
同ブランドを代表する製品であるメモパッドは、世界中のオフィスやスクールで愛用される一品。
ここ日本でもクリエイティブ業界を筆頭に、そのスタイリッシュな見た目と実用性の高さから不動の人気を誇り、文具界の大定番となっている。
今回はステーショナリーブランドの巨頭《ロディア》の歴史に触れてみたい。
1932年、フランス第二の都市リヨンに、代々紙を扱う商家ヴェリヤック家の長兄アンリが、弟ロベールと共に《ロディア》の前身となるヴェリヤック兄弟社を設立した。
そして1934年、ヴェリヤック兄弟社によってメモパッドを含むすべての製品の商標として登録されたのが、現在のブランド名である《RHODIA(ロディア)》である。
このブランド名は、フランス四大河川の1つ、リヨンを流れるローヌ川(RHONE)に由来している。
メモパッドの表紙を飾る、今ではすっかりお馴染みの二本のツリーを模したマークは、紙の原料である木とヴェリヤック兄弟の絆を象徴したものだという。
真摯なモノづくりを続ける同社は、程なくしてフレンチアルプスのグルノーブルに近いセシリアンヌに会社を移転。
この移転は、最高品質の製紙開発に欠かせない水資源と森林資源を求めてのものだった。
ちなみに、物資の乏しかった第二次世界大戦中には、納得できる高水準の紙原料が入手できなかったため、製造を断念していた期間もあるという。
プロフェショナルユースが考慮された画期的なグリッド状のグラフ方眼フォーマットのメモパッドは、1970年代に入るとヨーロッパをはじめ、北米や日本でも建築家・デザイナー・アーティス
ト・科学者を中心に、ブロックメモの代名詞として愛される存在に。
以降、メモパッドの世界的なスタンダードとして、よりいっそう認知されていくこととなる。
写真のメモパッドは《ロディア》を代表するプロダクトの1つである「No. 11(A7)」。
手のひらに収まるサイズ感で、誕生から現在まで世界中の人々のアイデアや創造を支えてきた傑作メモパッドなのだ。