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この日は、日帰りで名古屋出張のハズだったが、以前からどうしても泊まってみたいところがあり、帰りがけに浜松に立ち寄った。
浜松駅から、遠州鉄道に乗り換えて助信駅を下車(約6分)、そこから徒歩4分の閑静な住宅街のなかにあるのが「365BASE(サンロクゴ・ベース)」というゲストハウス。
繁華街に繰り出したい人には不向きだが、そうでない人には足を伸ばすだけの価値はある。そこはまさに、アウトドア好きのための秘密基地だった。
アウトドア要素満載のホステルという話は以前から聞いていたが、実際に来てみて驚いた。上の写真は、共有のリビングスペース。まるでカフェだ。キャンプギアを中心に構成され、焚き火を囲うかのように他の宿泊者とコミュニケーションが取れる。もちろん電源もWi-Fiもあるので、仕事がたまっていても安心だ(しかもコーヒー飲み放題!)。
到着してすぐに、365BASE内を散策してみることに。正直、ゲストハウスというものに泊まるのも初めてだったので、一般的なそれと比較することはできないが、一歩踏み入れた瞬間から一般的ではないことは確かである。
先に紹介したキャンプライクなリビングスペースはもちろん、ボルダリングスペース、外にはBBQスペースなどがあり、共用のキッチンやシャワールーム、ランドリーなどの水回りもとても清潔感があって好印象。
夜到着して素泊まりではもったいない。ここをベースに連泊してこそ使い切れるだろう充実した設備に驚きつつ、スーパーで買い物してから来るべきだったと猛省する。
ゲストハウスなので、宿泊は当然ドミトリー(相部屋)タイプが中心。いわゆる2段ベッドとは違って個室的に仕切りもあるし、何よりおしゃれで落ち着いた雰囲気なのがいい。基本は男女共有ドミトリーだが、女性専用ドミトリーやワイドベッド式ドミトリーなどタイプも豊富(1泊¥3300〜 ※部屋タイプや時期による)。
この日の寝床は、基本タイプのドミトリー。室内は広いとは言い難い約1.2畳ほどのスペースだが、逆に、妙に落ち着くのはボクだけか? ふかふかベッドの上で、ソロキャンプのような雰囲気が味わえるというのは贅沢の極みだ。
シャワーを浴びて、せっかくだから横になりながら本でも読もうかとした瞬間に寝落ちしてしまったため、まともなインプレはできないが(スミマセン)、この日は平日でお客さんが少なかったためか、周りの音が気になることはなかった。敏感な人は受付で耳栓がもらえるとのこと。ちなみに、ベッドは低反発マットなので腰痛持ちはすこし注意が必要かも(笑)。
と、いただいたパンフレットに書いてあったのだが、一体どういうことか。代表の古橋さんに聞いた。
「浜松は全国で2番めに大きい市なんです。遠州灘や浜名湖があり、東に天竜川があり、北は長野にまでつながっています。遠州灘ではサーフィン、浜名湖ではキャンプやウインドサーフィン、天竜川では渓流釣りや沢登りなどを楽しむことができます。つまり、ちょっと足を伸ばせば、海も川も山もすべて堪能できる街ということです」
浜松と聞くと、企業ではスズキやヤマハが有名で、食べ物だと鰻や餃子などがすぐに思い浮かぶが、実際のところ高速のSAには寄ったとしても通り過ぎてしまいがち。アウトドアの宝庫というのは寝耳に水だった。
「ここを拠点に、浜松の様々な魅力を体感してもらいたい。普段とは違うアクティブな日常を過ごしてもらいたい、というのがコンセプトなんです。365BASEという屋号には、1年を通して秘密基地として使ってもらいたい、という思いを込めています」
近年、海外からの観光客が増加し、ゲストハウスといえば外国人のための宿泊施設と思われがちだが、ココは浜松という土地柄かすこし違うカンジがした。
どちらかというと、日本人がまだ知らない日本を見るための拠点。出張など、もともと浜松に用がある人にはキャンプ気分でリラックスできるコミュニティ空間としておすすめだが、そうでない人は、自分の世界観を広げるための拠点として活用できるハズ。
何より、ここまで設備が整ったアウトドア好きのためのゲストハウスは全国を見渡してもなかなか見つからない。今回はたった1泊だけの体験だったが、次回はぜひ連泊で利用してみたいと思った。
365BASE