- 週間ランキング
1968年にデリカ トラックが発売されてから、今年で50周年となった「デリカ」シリーズ。この夏は、最新モデルの「デリカ D:5」に特別仕様車「ジャスパー」が登場した。
そこで、おしゃれアウトドアな歴代デリカ乗りたちが、ワイルドにアップデートされたD:5を一堂にチェック。そして、デリカ50年のヒストリーを振り返ってみた。
’18 MITSUBISHI DELICA D:5 JASPER
初代デリカの誕生から50周年を迎えた今年、ジャスパーのベースとなる5代目の「D:5」は、ワイルドなルックスへと進化。アンダーカバー一体型のフロントバンパープロテクターを装備し、フィールドで大活躍する機能美がオトコ心を刺激する。
撮影車両は、夏の特別仕様のジャスパーに5つの専用アイテムを装備した、ディーラーオプションパッケージとなる。
(写真右)’97 DELICA VAN
OWNER:佐々木智之さん(スタイリスト)
様々なメディアで活躍し、キャンプサイトのスタイリングも手掛ける。デリカ歴は6年で、スターワゴンがベースの、デリカバンを2台乗り継ぐ。「デリカバンはタフに扱っても壊れないから信頼しています。今夏も毎日仕事でフル活動中」。
(写真中央)’04 DELICA SPACE GEAR
OWNER:一柳 聡さん(AlexanderLeeChang プレス)
独自の世界観を発信するブランドALCの名物プレス。デリカ歴は3年。「デリカは遊 びと仕事を両立できるクルマ。スペースギアは、ボクのライフスタイルにもピッタリです。この夏は自転車を積み込んで、乗鞍岳までツーリングに行きたい」。
(写真左)’07 DELICA D:5
OWNER:西尾雄大さん(NICO &MOUNTAINEER APARTMENT 代表)
アウトドアとライフスタイルをつなぐ、ニコ&マウンテニアアパートメントを展開。休日はアウトドアパパとしてファミリーキャンプを満喫中。デリカ歴は2年。「D:5は子どもからも大人気。ラゲッジにはアウトドアギアを常備しています」。
おしゃれアウトドアな歴代のデリカ乗りたちが、デリカD:5ジャスパーの前に集結! それぞれの愛車は年代も型式も違うけど、こだわりのデリカに乗る3人だからこそ、デリカD:5ジャスパーにも興味津々の様子だ。
スタイリストの佐々木さんは、毎日仕事で大量の荷物を運んでいるだけに、早速、ラゲッジルームの機能性をチェック。
「カーゴフェンスは、かなり使えますね。これなら荷物を積み上げた状態でも、安心してリアゲートを開けられますよ。リアシートのバンジーコードも小物を固定するのに重宝しそう。シートも撥水仕様だから、夏はここにサンダルを常備しておくのもいいかもしれないですね」。
そんなインテリアの使い勝手に対して、ALCの一柳さんは、アウトドア感を演出するエクステリアに注目する。
「クルマのステッカーカスタムは、乗り手の個性をアピールできる重要なポイント。結構、センスが問われる部分なんですよ。そういう意味では、サイドに入った鹿やカヌーのデカールがいいですね。年代のアウトドアブランドっぽい、オーセンティックな雰囲気が新鮮です」。
西尾さんは、初期モデルのデリカD:5 に乗っているため、フロントバンパープロテクターが実装されたタフなフェイスまわりなど、最新モデルのワイルドなアップデートを見逃さない。
「今までのD:5の中で、最も力強い顔つきになっていますね。無骨なインチのアルミホイールと、アクセントになる赤いマッドフラップのコンビもインパクト抜群。フィールドでも映えますよ」
三者三様に、ジャスパーのアクティブな進化を絶賛する3人。やはり外遊びの現場には欠かせないクルマのようだ。
外遊び好きのマスターピースな1台といえる、デリカ D:5。そのルーツとなるデリカ トラックが誕生したのは、いまから50年も昔のハナシ。その変わらぬデリカのDNAを再確認すべく、歴代モデルをおさらいしてみた。
キャブオーバータイプの小型トラックとして誕生した、初代デリカ。69年に追加発売 したサードシートを備えた9人乗りのコーチが、その後のキャブオーバーワゴンのルーツとなる。また、オートキャンプ時代の幕開けに伴い、ポップアップ式ルーフを備えたキャンピングバンも発売された。
「スターワゴン」と呼ばれる2代目。82年には小型キャブオーバー車として初の4WD車が登場。初代パジェロに搭載されたハイ・ロー切換ができるトランスファーのパート タイム方式を採用し、4WDワンボックスとしての歴史がスタートした。この当時から冬の特別仕様のシャモニーが登場。
軽量化やボディ剛性に配慮するためモノコックボディが採用され、やわらかなカーブ形状で構成された個性的な新フォルムは、ソフトキューブスタイルと名付けられた。 この時代の「スターワゴン」は根強い人気を得て、4代目デリカのスペースギアのデ ビュー以降も継続販売されていたほど。
この「スペースギア」から、エンジンをノーズ部に収めるフロントエンジンレイアウトに変更し、衝突安全性を向上。また、前席からラゲッジまでフラットフロアとし、前席から後席へのウォークスルーを実現。パジェロで好評のスーパーセレクト4WDで、卓越したオフロード性能も発揮した。
キャブオーバータイプの居住性と積載性、オンロードもオフロードも走れる機動性を 合わせ持つSUVテイストのミニバンを目指した、現行の「D:5」。伝統のスクエアなボ ディと直線基調の外観デザインは健在だ。2013年には、ファンの要望に応え、クリー ンディーゼルエンジン車が追加された。
春に一部改良をうけた最新型は、フェイスデザインに変更が施され、アンダーカバー 一体型のフロントバンパープロテクターを装備し、さらにタフなイメージを獲得している。来年にはフルモデルチェンジがウワサされているので、ある意味、熟成されたといえる最終型はイマが狙い時かも。
外遊び好きが選ぶクルマとして、いつの時代も外せない、デリカシリーズ。現行のデリカD:5は、本格的な4WD性能を備えたワンボックス車として、唯一無二のポジションを確立している。
そもそも、デリカは〝デリバリーカー〞を名前の由来とし、68年に発売されたトラックをルーツとする。商用車として高度経済成長時代の物資輸送を担っていたモデルが、初代なのだ。
「スターワゴン」を擁して、ワンボックス乗用車として歩み始めた2代目は、82年に日本初の4WDワンボックスワゴンを追加し、パジェロとともにRVブームの火付け役となった。
モノコック構造を採用した3代目は、いま現在もマニアが存在するほどの人気モデルで、4代目にあたる「スペースギア」は、エンジンを車体前方に搭載するミニバン形式へとシフトし、フラットフロアにすることで、安全性と快適性をさらに向上。そして、乗用車的なオールラウンダーミニバンへと進化したのが現行モデルである「D:5」となる。
また、4WDシステムは「スターワゴン」で、ハイ・ローレンジ切換ができるパートタイム4WDを搭載。
「スペースギア」で、パートタイム式とフルタイム式の長所を兼ね備えた独自のスーパーセレクト4WDに「D:5」で、路面状況に応じて最適なモードを提供する電子制御4WDに進化。ある意味、デリカの 歴史は4WDの変遷ともいえるのだ。
いまや、デリカD:5は、4WD箱型ミニバンというジャンルにおいてライバル不在といえる1台に。様々な道路状況において、確実に乗員や荷物を目的地まで運ぶためのクルマとしての初代から、遊びの歴史を積んで走ってきた50年があるからこその、現在といえる。そして、これから先も常に、外遊び派のマスターピースとして存在し続けることだろう。
Photo/Kenji Fujimaki
Report & Text/Masatsgu Kuwabara
(問)三菱自動車 お客様相談センター tel:0120-324-860 http://www.mitsubishi-motors.co.jp/lineup/delica_d5/