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あれよあれよという間に2022年も山開きの季節。山の麓で優雅に過ごすオートキャンプとは違って、登山は十分な装備や知識、体力がなければ危険も多い過酷な世界。興味はあってもハードルが高くてトライできずにいる外遊び好きも多いのではないでしょうか。
かくいう筆者もその1人。アウトドアといえばキャンプや野外フェスへ行っては日がな一日ビール片手にはしゃいで過ごすばかりで、山に登った経験はほとんどなし。そんなアウトドアをずっと浅瀬で楽しんできた筆者に、かの”八ヶ岳”へ挑戦するチャンスが到来。ブランド設立160周年を迎えたMAMMUT(マムート)が山の魅力を発信するべく開催している登山ツアーに参加し、本格登山のリアルを知りました。
“日本の守るべき美しい山景色”登山ツアーと銘打たれた同企画は、南八ヶ岳登山の要所である山小屋「赤岳鉱泉」を拠点に、八ヶ岳の中でも4番目に高い「硫黄岳」の登頂を目指す1泊2日の本格ツアー。
プロのガイドや宿泊所、食事まで用意された至れり尽くせりな企画なのですが、とはいえ、山を歩く知識も装備も体力も不十分な登山初心者にとって標高2760mを誇る硫黄岳登頂は決してラクではなく、心が折れそうになる場面もあったほど。
山頂を目指すなかで、足の置き方や歩幅、体温調整やエネルギー補給など、何気なく歩いているようで実は奥が深い、山歩きの基礎知識を学ぶことができました。足元の悪いフィールドで過ごすアウトドアならキャンプやフェスでも役立ちそうなテクニックばかりなので覚えておいて損はなさそうです。
今回、個人的に一番気になっていたのが山小屋に泊まるということ。もちろん初心者である筆者に山小屋泊の経験はあるわけもなく、ただ漠然と、小さなログハウスに雑魚寝するようなイメージで、縦走や雪山登山といった上級者の利用する簡易施設といった印象だったのですが、今回宿泊した「赤岳鉱泉」はそんなイメージを大きく覆す快適な空間となっていました。
通年営業を行う赤岳鉱泉では、コロナ禍でも通常通り登山者を受け入れるための努力がなされていました。運営スタッフの数も限られている分、感染拡大防止には細心の注意が払われており、山小屋におけるコロナ対策の大変さを窺い知ることができました。
ご覧の通り、いわゆる山小屋のイメージを遥かに超え、リゾート地のコテージを思わせるほど環境の整った赤岳鉱泉ですが、そんな快適な空間を作り上げている秘密が南八ヶ岳の自然にありました。そこには登山者を最大限サポートするためのただならぬ努力が見られました。
登山道を歩む中で、何やらマムートのマンモスロゴが配されたプレートを発見。山道には登山者の行く手を阻むように路面が崩れた危険なポイントが時折現れるのですが、これはマムートが赤岳鉱泉と協力してそんな荒れた登山道を整備するために打ち込んだもの。
写真のように谷状になった路面に岩屑が軽がるポイントは、雨が降れば川のように流れ、岩石を運び土砂崩れにもなりかねない危険な状態。雨がふらずとも、岩が転がり登山者を襲う可能性も考えられる。そこで、プレートを打ち込み階段状にして転がる岩石を堰き止めることで、未然に事故を防ぐことができるというわけ。
自然を相手にするアウトドアブランドとして、これまで積極的に環境問題に取り組んできたマムート。アルプスがそびえるスイス発祥のブランドだけに山にかける思いはまた一段と強く、環境保全はもちろん、登山者の安全を守るためのこういった地道な活動も行っているんです。ここでは、ショップやネット上では決して見られないマムートの知られざる一面を垣間見ることができました。
初心者には決して楽とはいえない険しさがあった硫黄岳登山ですが、その分、登頂したときの喜びはひとしお。登山後に山小屋で飲むビールや、登山中のコーヒーブレイク、動植物の観察など想像以上にチルアウトな時間があったのも予想外の魅力でした。
もちろん知識や装備などの前準備はマストですが、登爽快な山景色に登頂の達成感、そして普段は味わえない山小屋での時間を考えれば、登山はかなりコスパのいいアウトドアアクティビティだといえるんじゃないでしょうか。ただし、その裏には自然の危険と環境問題、登山者や山を支える人たちの存在があることを忘れてはいけません。同ツアーではそれらを理解することでより深く山を楽しむことができたのだと思います。
今回はメディア限定のツアーでしたが、7月より一般参加型のツアーも随時開催予定とのことなので、登山デビューをお考えの外遊び好きは、マムート公式サイトやブランドショップをチェックしてみて!
Photo/Doryu Takebe
Report &Text/Tsuyoshi Enomoto
The post 山ビギナーが八ヶ岳へ。本格登山を体験して発見したアレコレ。 first appeared on GO OUT.