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「車中泊は季節を問わずに楽しめるけど、車内がサウナ状態になる夏よりも冬のほうが快適だと思います。寒さは工夫次第でなんとでもなりますから」。
牛田さんの現在の愛車はデリカD:5。タフな走破性と収納力が購入の決め手ながら、車中泊で使えることも魅力のひとつだったとか。そこで、まずは車中泊に適したクルマ選びのコツから聞いてみた。
「やっぱり、ラゲッジ部分がフラットになるクルマが理想ですよね。構造的にそれができない車種は、自分で工夫してカスタムするのもありです。実際にボクもラゲッジに板を張ってフラットスペースを作りました。
逆に危険なのが、車内に内張りがなく鉄板が剥き出しになっている商業車や古いクルマ。昔、何度か寝たことがあるけど、めちゃくちゃ寒い。スチールのボディが冷気でキンキン冷やされるから、本当に冷蔵庫みたいですよ。レンタカーで安いからって商業車を借りて車中泊をすると地獄です(笑)」。
続いては、車中“泊”の要となる寝具について。車内環境や他の装備によっても左右する部分だけど、最低限のベースとなる装備は知りたいところ。キャンパーならテント泊の延長として考えても良さそうだけど……?
「その通り、基本的には冬キャンプのテント泊と同じ装備がいいです。でもシュラフはワンランク上のグレードのモデルを持っておくと安心できますよね。
マットはそこまで厚手じゃなくてもいいけど、地面からの冷気を防ぐ断熱性と熱反射性に優れたエアーマットがいいですね。クローズドセルは下が板だと背中が痛くなるかもしれないし、コットは下に空気が流れるから寒いと思います。
あと僕はピローもこだわっています。それなりに、ちゃんとした枕を用意するだけで快眠性が全然変わりますよ!」。
「それと、車内ではダウン入りのテントシューズも重宝しています。これがあるだけで、寒さの感じ方が全然違うんですよ。寝るときは脱ぐけど、それ以外はずっと履いていますね」。
もちろん防寒対策も快適性に直結する重要な要素。牛田さんはデリカ専用の断熱素材入りサンシェードを愛用中。プライベート空間を確保する目隠し的な役割もあるけど、季節を問わずに車内の温度を一定に保つための重要なギアなのだとか。
「ガラスは冷気を通すから、窓が大きいほど車内に冷気が入ってきます。そこで断熱効果があるシェードで窓を塞ぐのが最も効果的。熱だけでなく冷気も塞いでくれるし、車内の熱も逃しません。さらに遮光性にも優れているタイプは便利ですね。最近は外灯が明るいキャンプ場もありますから」。
「気軽に開閉できるカーテンと比べると、吸盤でセットするのが少し面倒だけど、寒さ対策としてはこれくらい厚手のほうがいいかと。ほとんどの車種に、専用で使えるシェードが出ているから隙間なく綺麗にセットできると思います」。
さらに裏技的なちょい足しテクニックも披露。こちらはキャンパー御用達の“オールウェザーブランケット”。グランドシートやレジャーシートとして使ってる人も多いのは?
「大きなテントよりコンパクトなソロテントで寝たほうが温かいのと同じで、居住空間を狭くするほど寒さも軽減できます。なので、このブランケットをフロントシートとセカンドシートの間に吊り下げて、車内をセパレートにします。これだけで体感温度が変わりますよ」。
最後は、快適な車中泊を求めるなら必須の万能ギアを紹介。そのひとつがコンパクトなLEDランタンだけど、連泊すると充電する必要が出てくる。そこで頼りになるのがこのアイテム!
「ポータブル電源は絶対にあったほうがいいです。LEDランタンの充電だけでなく、電気毛布を使ったり、電気ケトルでお湯を沸かして湯気で車内を温めることもできます。車内は火器厳禁だけど、これがあれば簡単な料理も作れますよ。
それと豪雪地帯では、猛吹雪で車内に閉じ込められてしまうこともあります。 そんなとき、エンジンを切っても使える電源は頼りになるし、常備してあるだけで安心感もありますよね」。
「電源があると長時間使えるのが小型ファン。車内は空気が篭りやすいから、ファンを使って常に循環させておくだけで快適度がアップします。もちろん夏の方が活躍するけど、冬は結露対策にもなるんですよ」。
様々なアイデアと実用的なギアを揃えて、快適な車中泊を満喫している牛田さん。しかもどれも特別な技術は必要なく、誰でも気軽に取り入れられるテクニックばかり。
もちろん車種によって応用できる部分も変わってくるし、車内空間の利便性も様々。それでも自分なりに様々な工夫を凝らして、快適性を高めていくのが車中泊の醍醐味なのかも。
この冬は、牛田さんのスタイルを参考しつつ、自分だけの心地よい車中泊スタイルを追求してみては?
投稿 冬の車内は冷蔵庫? 達人に聞いた「真冬に車中泊」の快適な過ごし方。 は GO OUT に最初に表示されました。