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GO OUT本誌でもお馴染み、バンブーシュートの甲斐さんが、毎回、様々なファッション業界人のゲストと共に、東京の名店を巡るショップツアー連載「甲斐さんぽ」。
第4回目は、中目黒シーンの仲間でもあるコモンエデュケーションの前田恭幸さんがゲストに登場。甲斐さん曰く「年齢は離れているけど盟友であり心の友」だとか。そんな名コンビで、三鷹・吉祥寺エリアのGO OUT的名店を巡ることに。
36℃を超える猛暑日のなか、JR三鷹駅に集合した2人。プライベートでも仲が良く、中目黒で飲むことも多いけど、コロナの影響もあり最近はご無沙汰だとか。
前田「最近、一緒に飲んでないですよね。元気でした?」
甲斐「元気だよ。でも今日はちょっと暑過ぎるけど。とりあえず熱中症に気をつけてゆっくり歩きたいね。今回はオレがこのエリアで行きたいショップを勝手に選んじゃったけど、大丈夫?」
前田「もちろんです。名前は知っているけど行ったことがないショップばかりなので、楽しみです!」
甲斐「じゃあ早速行こうか。1軒目はここから徒歩10分くらいだよ」
JR三鷹駅からスタートした今回の甲斐さんぽは、それぞれ三鷹駅と吉祥寺駅から徒歩圏内の3店舗を巡る予定。猛暑日のため、一部はタクシー移動をすることに。
日本のULシーンを黎明期から支えてきた、元祖UL系アウトドアショップの『ハイカーズデポ』。三鷹にあるため、都内から奥多摩に向かうハイカーたちが立ち寄ることも多いが、最近は珍しいULアイテムを目当てに遊びに来る人も増えている。
初来店の前田さんは、大量に並ぶULギアに興味津々。なかでも、他のアウトドアショップでは見ることがない珍しいバッグや小物が気になる様子。
アルコールストーブを手に取って見比べ、コンパクトなサイズ感やウルトラライトな軽量性を実感。
前田「ガレージブランドのアルコールストーブって凄いっすね!! この奥の深さは、『マツコの知らない世界』(テレビ番組)に出るレベルですよ(笑)」
甲斐さんは半年ぶりの来店。オーナーの土屋さんとは15年来の付き合いで、それぞれアウトドアシーンに携わるスタンスは異なるが、長年リスペクトし合う関係らしい。
土屋「甲斐くんは昔からずっと変わらないスタンスで、ファッション畑に軸足を置きながら、アウトドアウエアを真っ直ぐに語れる貴重な人。つい視野が狭くなりがちな業界だから、話していて勉強になることが多いんですよ」
甲斐「土屋さんは、本当に昔からお世話になっている大先輩だからね。半年ぶりに来たけど、やっぱりこのショップはおもしろい。いろいろと新しい発見がある場所だよ」
ULA エピック ¥50600
そんななか前田さんが気になったのは、ドライサックを挟んで使う背負子のようなバッグ。実際にこちらのモデルは、シートゥサミットのサックがセットされている。
前田「 機能性もおもしろいけど、ファッションとして取り入れてみたくなるアイテムですね。ブラック×イエローのウータンカラーだから、Bボーイスタイルにも合いそう(笑)」
一方、甲斐さんは、シューズコーナーを熱心にチェック。昨年末にここでアルトラのシューズを購入したらしく、今回も新作が気になっているとか。
ALTRA キングMT2 ¥18700
そして手にした一足は、アルトラのトレランシューズ。ソールは薄いが補強プレートが入っているため歩きやすく、岩場などの不安定な足場でホールド感をアップするベルクロも付いている。
甲斐「前にアルトラのグラフトンを手に入れたけど、それがすごく良くてさ。ずっと履いているから、そろそろ新しいモデルが欲しいと思っていたところなんだよね」
『ハイカーズデポ』でULアイテムを堪能した2人は、隣駅の吉祥寺まで移動することに。今回はタクシーを使うけど、電車でも1駅の距離なので比較的スムーズに行き来できる。
次の目的地は、2人とも初めて訪れるという個性派セレクトショップ『ジ・アパートメント』。
90年代のBボーイ的な視点で、アメリカンなウエアや雑貨を厳選する『ジ・アパートメント』。ザ・ノース・フェイスの古着が再注目され、様々な名作アイテムの復刻へと繋がったムーブメントも、実はこのショップの影響が大きい。
若い頃にヒップホップカルチャーを通ってきた2人だけに、ショップに到着するなり楽しそうに内外装をチェックして、キッズ時代に戻ったようにワクワクしながら店内を物色。
甲斐「ずっと来たいと思っていたショップだから、この企画で訪れることができて嬉しいね。さりげなく貼ってあるステッカーとか、ディスプレイしてあるオブジェもかっこいい!!」
前田「ボクの世代的には憧れの先輩たちのスタイルだから、当時は背伸びしてチェックしていました。今改めて見ても、やっぱりいいなって思っちゃいますね」
90年代に逆輸入されていたブランド、ソニースポーツのディプレイが気になる前田さん。今ではプレミアがついているアイテムもあるが、残念ながらこちらはすべて非売品。
甲斐さんは雑貨コーナーをくまなくチェック。そしてお子さんへのお土産として、アメリカの文房具を購入することに。
甲斐「若い頃にNYに遊びに行ったとき、オレもこういう雑貨を大量に買い込んだのを覚えているよ。せっかくだから日本に売っていないサインペンを、息子に買っていくわ」
前田さんは、今夏に復活した2000年代のNYブランド、エニシングにも注目。
前田「これは当時、夢中になりましたね。デザイナーのエーロンが大好きなんです。まさか復活していたとは!!」
左/STABRIDGE Tシャツ¥5500、右/THE NORTH FACE ヘリジャケット(古着)¥77000
テンションがアガりまくりの2人が選んだアイテムがこちら。甲斐さんは、『ジ・アパートメント』のオリジナルブランド、スタブリッジのTシャツ。前田さんは、ザ・ノース・フェイスの94年製ヘリジャケット。
甲斐「バックプリントは某アウトドアブランドのパロディだけど、こういう遊び心のあるセンスは最高。ボディの雰囲気もサイズ感もいいよね」
前田「まず、ブラックとイエローの2トーンに惹かれました。90年代らしいディテールもおもしろいし、語りつくせない魅力があると思います。『ハイカーズデポ』で選んだバッグとセットで使いたいですね」
『ジ・アパートメント』で買い物を満喫した2人は、最後の目的地となる『ビックツー』まで徒歩で移動。井の頭公園方面へ歩いて、10分ほどで到着する。
しかしその道中で、前田さんがどうしても立ち寄りたい場所があるとか。そこは『ジ・アパートメント』から2分ほど歩いたところにあるショップ。
前田「インスタントっていう、スケートボードの専門店です。昔からスケボーも、そのカルチャーも大好きで、ボクのなかで吉祥寺といえばこのショップなんです」
甲斐「お、いいね。それならちょっと覗いてみようよ!!」
ということで急遽立ち寄ることになった『インスタント』は、壁一面にスケートデッキが並ぶ老舗のプロショップ。それでもビギナーにも優しいため、ここを訪れてスケボーにハマる人も多いとか。
店長の吉田さんと前田さんは、スケートを通して知り合ったスケーター仲間でもある。付き合いも長いらしく、ショップ前のベンチで休憩させてもらう間も、スケートボード談義が止まらない!
2人が最後に訪れたのは、吉祥寺を代表する人気アウトドアショップの『ビックツー』。日常でも使える機能美ギアやウエアが揃い、個性派キャンパーや自転車好きから支持されている。
前田さんは初来店だけど甲斐さんも2年ぶりくらいに訪れたらしく、かなり新鮮な気持ちで店内を探索。
甲斐「おもしろいアウトドアギアが揃っているよね。キャンプで使えそうなアイテムがいっぱいある」
オリジナルブランド、ワークスの多機能バッグに注目する2人。企画を担当した『ビックツー』ディクターの勝俣さんに、各部のギミックについて細かく質問していた。
BEDWIN &THE TECHNIQUES “HEAD FS” 5/L メッシュポケットショーツ ¥22000
「ギアも気になるけど…」と言いながら、前田さんはソロテックス素材のショーツをセレクト。今夏スタイルの即戦力として取り入れたいとか。
前田「まだまだ暑い日は続きますからね。このショーツは伸縮性のある速乾素材だからアクティブに動いても快適。しかも、こんなに大きなポケットがあるのにルックスもスタイリッシュですよね」
VARGO チタニウム ストロー(2本セット) ¥3300
甲斐さんはやはりギアが気になるらしく、バーゴのチタニムストローをお買い上げ。ニオイの気にならないチタン素材は軽量性にも優れているため、専用ケースに入れて気軽に持ち歩くことが可能。
甲斐「最近コンビニでコーヒーを買ってもストローが付いてこないから、こういうストローが欲しかったんだよ。これは長く愛用できそう」
ということで、三鷹・吉祥寺エリアを満喫した2人。猛暑にも負けない物欲と探究心で、各ショップでリアルな買い物を楽しんでいた。
甲斐「前ちゃんは、三鷹・吉祥寺は久しぶりだったと思うけど、どうだった?」
前田「いやー、もうすごく楽しかったですよ!! なんか道具屋が多い印象ですね。どの店もちゃんとカルチャーを大切にしていて、その先にファッションがあるような気がしました」
甲斐「街並みは、中目黒が大きくなったような感じかな。飲み屋と服屋と道具屋が混在していて」
前田「確かに雰囲気は似ている部分がありますね。だから親近感があるのかも」
甲斐「そうだよね。本当ならこのまま吉祥寺で飲みに行くところだけど…」
前田「ですよね(笑)。早くまた飲み歩けるようになるといいですね」