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人間は食べたものをエネルギーにして動いていますが、食べたぶんすべてを消費はできません。そこで、余ったエネルギーを中性脂肪にして脂肪細胞に蓄積。エネルギーがなくなったときに、その蓄えた中性脂肪を使うわけです。そんな中性脂肪の数値は1日のなかで変化していることがわかっていました。
口から摂った食べ物は胃などで消化され、その栄養は小腸から体内へ吸収されます。摂った栄養の大部分は筋肉などに運ばれて、エネルギーとして消費されますが、すべてが使われるわけではありません。
消費されなかった栄養は肝臓に運ばれ、あとで使えるように中性脂肪に変えて蓄えられます。中性脂肪はいわば、エネルギーの貯金箱のようなものです。しかし、余った中性脂肪が体の中で増えすぎると、メタボリックシンドロームや動脈硬化の原因となり、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こす原因となります。
さらに近年、中性脂肪の数値は1日のなかで増えたり減ったりすることもわかってきました。人間ドックや健康診断の数値は、そのまま鵜呑みにはできないのです。
中性脂肪の数値に限らず、血糖値や血圧といった体のファクターというのは、1日のうちにすごく変動しています。その変動の流れを見ること、全体のプロフィールを見ることはとても大事なこと。それによって、適切な診断ができて、適切な治療ができることになるのです。
人間ドックや健康診断のときは胃カメラやバリウムがあるため、前の日の夕ご飯を早く食べて、それ以降は何も食べない状態であることがほとんど。これは非日常のレアケースで血液検査していることになります。
これでは、たまたまよい1日を見てしまっているのと同じこと。ふだん、その日以外の1年中、そんなことはまったくありません。その意味でも、中性脂肪の数値の1日の変動を見ることはとても大切なのです。
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