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偏頭痛の治療に予防薬という新しい概念が取り入れられています。じつは偏頭痛で脳の視床がダメージを受けると、雪だるま式に偏頭痛がどんどん悪化してしまうケースがあるのです。そんな偏頭痛の治療に効果を発揮しているのが頭痛の予防薬。視床のダメージで悪化する偏頭痛は予防薬が効きます。
どんどん悪化する偏頭痛は、視床の意外な性質によるものです。視床は何度も何度も強い痛みを経験してダメージを受けると、ボロボロの状態になってしまいます。すると、頭痛薬で痛みを弱めてそれでも反応。痛みが出てしまうのです。
実際、偏頭痛の人の視床をMRI画像で見てみましょう。通常、ハリ治療などに使われる針は直径わずか0.2ミリほど。細すぎて刺されてもほとんど何も感じません。しかし、偏頭痛の人の視床は血流が急上昇。視床が痛みを感じているのです。
このように、視床がボロボロになってしまうのは、痛くなってから頭痛薬を飲んでいるため。薬といえども痛くなってから飲む以上は、視床にはダメージが蓄積します。それが何回も繰り返されて、おかしくなってしまう場合があるのです。
そんな視床を正常に戻す方法が、偏頭痛の予防薬。頭痛がおきる前に薬を飲んで、頭痛の発生を抑えます。あらかじめ薬を飲むことで視床への打撃を防ぐことで、元の視床に戻っていくのです。
偏頭痛の予防薬は痛くなくても1日1錠や2錠など、定期的に飲むもの。これを使うと、頻回におきていた頭痛がだんだん治まっていきます。これは頭痛のメカニズムの解明が進むこと見つかった大本を断つ治療です。
ただし、治療の効果が出るのに時間がかかるのが特徴で、2か月くらいは飲まないと効果が現れません。なお、この偏頭痛の予防薬はあくまでも処方される薬。従来の市販の頭痛薬は痛みがおきたときに服用するものなので、予防には効きません。
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