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体が柔らかいと聞くと「筋肉がよく伸びる」とイメージしがち。しかし、筋肉は自分の意思では伸ばすことはできません。筋肉は縮ませるか、元の状態に戻すかしかできないのです。そして、それを外部の力で行うのがストレッチ。じつはストレッチは、体を柔らかくする方法ではありません。
筋肉は基本的に、拮抗筋と呼ばれる縮む筋肉と伸ばされる筋肉の連携によって動きます。たとえば、力こぶを作る動作であれば、縮む筋肉が上腕二頭筋で、伸ばされる筋肉がその裏側にある上腕三頭筋です。
このとき、上腕三頭筋はあくまでも伸ばされている状態。自分の意思で伸ばすことはできないのです。そして、ひじを元の状態に戻すときには上腕三頭筋が縮む筋肉となり、上腕二頭筋が伸ばされる筋肉になります。
ポイントは、筋肉は伸ばされているのであって、積極的に伸びているのではないということ。そして、体を柔らかくする方法として筋肉を外部の力で伸ばす動きがストレッチというわけです。
ただし、最新の研究ではストレッチが体を柔らかくする方法にはならないことがわかってきました。というのも、外部の力で無理やり筋肉を伸ばすと、脳が自分の身を守るために、反射的に硬く縮まろうとする性質がわかってきたからです。
むしろ体を柔らかくする方法としてストレッチをすることで、逆に体を硬くしてしまうがあるということ。それでも筋肉が伸びないからとさらに力を加えると、ケガにつながることもあります。
認識すべきは関節の可動域が広いことと、筋肉が伸びることは別であるということ。筋肉を外部の力で伸ばすという意味では、ストレッチは体を柔らかくする方法ではないということです。
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