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2010年、ユネスコの無形文化遺産に初めて登録された食の分野のフレンチガストロノミー。その特徴は、フランス食材のクオリティだけでなく、味わいにまつわるストーリー、つまり“余韻”にあります。今回は、20社・27ブランドが参加する商談展示会です。まずは、貿易投資庁とビジネスフランスの代表による開会の挨拶からスタートします。
一部をご案内いたします。
フランス中央部、クレルモンフェランで2014年に若手職人ポール・ロペス氏が立ち上げたアルティザナルなヌガー専門店です。彼は伝統製法を再現するだけでなく、柑橘系、ジャンドゥーヤ、ダマスク・ローズ、ナッツなどを使ったオリジナルレシピを開発しています。
それぞれの上質な素材の味が生きており、非常に食べやすく、多数の受賞歴もあるとのことです。また、非常に背が高いポール・ロペス氏はフランスの元プロバスケットボール選手です。
1987年、鈴鹿サーキットで第一回F-1日本グランプリが開催された際、鈴鹿サーキットからのオファーを受けて来日しました。以来、鈴鹿を拠点に本物のフランスの味を提供しています。自身が美味しいと感じ、納得できる商品だけを商品化しており、100%フレッシュバターや新鮮な牛乳、純粋なカカオバターを使用したチョコレートなど、素材にもこだわっています。これらの品質は当然のことなので、特に記載していません。日本のカルディで出会える商品もありますので、次回探しに行きたいと思います。
故郷ノルマンディーにある自社工場では、サブレ、カヌレ、フィナンシェなどを製造・輸入しています。
ノルマンディー地方のイズニーサントメールとタカナシ乳業が共同開発した乳製品ブランドで、両社の技術と伝統が結集されています。試食させていただいたカマンベール、フェッセル、発酵バターなどは非常に良質で、感動の美味しさでした。
ハイビスカス抽出エキスを使用したオーガニック・スパークリング・ドリンクです。ノンアルコール、人口香料・甘味料・着色料不使用です。
4種のフレーバーは、抗酸化で注目されるスーパーフルーツであるシーバックソーン(サジーベリー)、ローズ、レモン、ジンジャー。
上質の本物の原材料ですが、甘さ控えめで、とても飲みやすく後味爽やかでした。
テイスティング付きのセッションがありました。筆者はラム酒をお菓子作りやカクテルでしか飲んだことがありませんが、今回のセッションでラム酒の奥深い世界を知ることができました。
ボローニュ蒸留所(左上3種)とパンチ・マビ(右上3種)のテイスティング、そしてラム酒に合うチョコナッツ2種が紹介されました。日本人の感覚では、ビールに枝豆のような関係だそうです。
1887年創業のグアドループ(カリブ海に位置するフランスの海外県)最古の蒸留所です。ラム酒の中でも希少価値の高いアグリコル・ラムを生産しており、最高品種の黒サトウキビを栽培しています。この蒸留所は、グアドループで初めてオーガニック・ラムの生産に取り組んだ無形文化財企業です。
ブランデーの一種であるコニャックの技術が活かされ、上の写真のラムには「V.S.O.P」と書かれています。3種類を飲み比べたところ、いずれも芳醇な香りが漂っていました。来年の春からは日本でも輸入が予定されており、楽しみです。
2004年に創業されたこのブランドは、グアドループの特産品を使ったホームメイドのパンチ(果実漬けラム酒)を提供しています。女性のアイデアから生まれたもので、マンゴー、ココナッツ、パッションフルーツ、スターフルーツ、ジンジャー、アプリコットなどの新鮮なフルーツがたっぷり使われています。飲みやすくて美味しかったので、こちらの商品とも日本で出会える日を楽しみにしております。
他にも多くのフランスの高級食材や飲料、冷蔵・冷凍管理が必要な商品のロジスティクスサービスを提供する会社などの商談展示会が行われていました。
壇上左が、フィリップ・セトン駐日フランス大使です。
この日、フレンチバゲットコンクールがあり、結果発表も行われました。
大使館公邸のシェフが作られたアミューズからスイーツまで。さすが、とても美味しいです。
ロワールのサンセール白ワインをいただきます。清涼感のある香りと柑橘系のフレッシュな果実味です。
初めて参加させていただきましたが、フランスの高級食材や飲料にスポットを当て、伝統から革新までが一堂に会するこの特別なイベントは素晴らしいと感じました。フランス駐日大使の懐の深さを改めて実感しました。
短時間でしたが、フランスの食材や食品が生まれた気候、風土、歴史、風景、そして作り手の思いを感じることができ、大変貴重な体験となりました。
今回出会った商品と、日本で出会える日を楽しみにしています。
同時に、フランスへの旅心も芽生えた、素晴らしい内容でした。