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……みたいなことを告白していた。
たしかに、芸能界ではローラあたりを起点として、大竹が言うところの「タメ口ブーム」、もう少々詳細な表現をすれば、
「ギャル・ハーフ・ユーチューバー…など出目が異色な若手女性タレントがタメ口を売りにするブーム」
……が、いまだ真っ盛りだったりする。
滝沢カレンといえば、ウクライナ人の父と日本人のバレリーナの母とのあいだに生まれたハーフタレントで、ティーン雑誌『セブンティーン』からデビュー。現在は『Oggi』の専属モデルを務めている。正確には『セブンティーン』はギャル誌じゃないのだけれど、ちょびっとだけギャルのテイストも匂わせるハーフ女子とくれば、むしろ「タメ口」のほうが、視聴者にとってはしっくりするご時世──なのに、そんななか滝沢は(わりと)頑なに敬語にこだわり続けている。しかも、その使用する敬語が微妙にヘンで、“従来”とのズレの度合いがなかなかに絶妙なのだ。
ちなみに、滝沢は日本生まれの日本育ちで日本語しかしゃべれない……らしい。しかし、そういう“種明かし”を知っている人なんて、そこまで多くはないハズ……私もこのコラムを執筆するにあたってWikipediaで彼女のことを調べたとき、はじめて知った。つまり「ハーフ」「ちょいギャル」といった外見のみのイメージと、普通なら年上の共演者が大半を占めるという状況下ゆえ、使うのが当たり前な「敬語」が、結果として“いい風”に「真逆」のギャップを生み出しているのではなかろうか。そして、狙っていようが天然的な副産物であろうが、生き馬の目を抜く芸能界では「真逆を行くこと」が、大きなアドバンテージとなるのは間違いない。
なお、余談だが、私もよほど親しい関係ではないかぎり、他人と話すときは男女、公私、年上年下問わず、たいがいが敬語を使う(もちろん赤ちゃんにも)。顔のつくりが濃くて、パッと見チンピラ系の私が敬語で丁寧にしゃべると、そこに意外性が生じるからで、このギャップは戦略的にもけっこうな良い効果をもたらす。例えは古いが、「いつもケンカばかりしている不良が雨のなかズブ濡れになりながら、段ボールに捨てられた子犬を抱き上げているシーンを目撃しただけで、いい人に見えてしまう」ようなものである。
最近は、ある意味「王道のギャル」で売り出してきたゆきぽよ(24)が、知人男性によるコカイン事件で窮地に追い込まれ、2月16日深夜に放送された『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)に出演した際、
「これからは定時で帰って来て、スーツ着てる人(と付き合いたい)」
……と発言し、ゆきぽよ本人がこれまで築き上げてきた「セルフ王道」を「真逆に行く」という複雑なかたちで、キャラの刷新を目論んでいるが、これが成功するか否かは置いておいて、これからも芸能界にしがみつきたいのならば、その打ち出し方こそやや弱めではあるものの、基本的には正しい方向性だと私は思うのだが、いかがだろう?
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