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著名人の色恋沙汰のスクープを“お家芸”とする写真週刊誌『FRIDAY』を裏で支えるネタ元の一人である「某芸能関係者」は(同誌が配信する記事中で)、こうした性急さを増す“ブーム”の要因を、以下のように推測する。
「やはり新型コロナウイルスの影響が大きいでしょうね。昨年4月ごろからドラマ撮影やロケなどが一時期ストップし、それまでスケジュールがびっしりだった売れっ子も自宅で過ごす時間が多くなった」
「しかも、高額なギャラを手にする芸能人とはいえ、やはり水物の人気商売。状況によっては一瞬で生活の術を失うことを、身をもって知らされたと言うことですよ。自分を見つめ直す時間もでき、パートナーとの結婚に踏み切るタレントが続いているということでしょうね」
さすがの洞察力である。おそらく「100%正解」の分析であろう。ところが、そんな百戦錬磨の『FRIDAY』をはじめとする芸能マスコミが、昨今では事務所発表まで“怪しい匂い”を察知することができず、タレント側に“完敗”するケースが目立ちはじめているという。聞けば、これも同様に、おおよそは新型コロナショックの影響が要因で、ちまたの自粛ムードによって記者サンの取材活動が制限されているから……なのだそう。
「飲みの場でお酒が入り、気持ち良くなった関係者が重大情報をついポロリとうのがスクープの第一歩。古いと言われてしまうのかもしれないが、そういう“人と人”との関係が芸能ニュースを支えている」
……と『FRIDAY』は釈明する。もちろん、(一部を除く)芸能人自体がコロナ禍のなか、あまり外を出歩かなくなったのもスクープ減少の遠因となっているに違いない。だから、緊急事態宣言下でも無防備に街をうろついてしまいがちな政治家だとか石田純一だとかばかりがスクープのネタとしてメディア上で血祭りにあげられてしまうのかもしれない。
「不祥事ならまだしも、微笑ましいカップルの誕生やおめでたい結婚を、もはやそこまで躍起になって追いかける必要があるのか?」
……みたいな意見もネット上では確実に増えつつある。事務所の発表でも芸能マスコミのスクープでも、どっちだっていいじゃないか……と。しかし、私はこれはこれでそれなりに世知辛い社会情勢における、一種の“ガス抜き”的な役割を果たしているのではないか、と思っている。たしかに、その“祝報”を事務所がギリギリまで隠し通せた結果として、情報流通が数ヶ月遅れたとしても、さして我々の日常生活には支障はない。けれど、「抜いた・抜かれた」の世界に身を置き、日々の仕事に対する緊張感をキープし続けている芸能マスコミの皆さまには、嫌味なしでリスペクトの念を抱いてやまない。
「スクープが抜かれたことをコロナのせいにするほど、芸能記者たちはヤワじゃないはず。今後も、世間をアッと言わせるニュースが放たれることを期待したい」
……と『FRIDAY』は、みずからを鼓舞する。私も気まぐれながら、ちょっぴりだけ期待したい。
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