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その後の1月18日、小池百合子東京都知事は、都内の飲食店などに要請している営業時間短縮の協力金を中小企業者や個人事業主に限定していたのを、大手企業も対象にする考えを表明。この“方針転換”には、堀埜社長の“一喝”によって動いた世論が大なり小なりの影響を与えたのは、まあ間違いない。
昨今は、インターネットの飛躍的な普及もあって、ときに個人のメッセージが国や地方自治体の政策をもひっくり返してしまうケースもしばし見られる。ただし、それほどの台風レベルの大風を吹かせるには、「目」となる発言の論旨が真っ当であり、かつ発信源が万人から愛されていることが絶対条件となる。すなわち、堀埜社長の「ふざけんなよ」は同業者内での不平等を問いただすという意味で至極「真っ当」であり、か
だと言えよう。
たしかに、たとえば
「サイゼでデートってアリ? ナシ?」
……は、いろんな女子との出会いや交流に躍起になっていたコロナ以前の長閑(のどか)なころだと、男子会(おそらく女子会でも)や合コンでのテッパンネタで、「万人に愛されている」かどうかはともかくとして、少なくとも「身近な存在」ではあった。
来年には還暦を迎える私は、ぶっちゃけ「アリ」だ。
「最初のデートでサイゼはさすがにないっしょ!」
「正式に付き合ってから半年くらい経って、関係がこなれてきたらアリかも?」
「あくまで“たま〜に”だけど…」
……みたいな“条件付き”の中間派の意見もけっこう耳にしたが、私は場合によっちゃあ「しょっぱなからいきなりサイゼ」もアリだと考える。
今の若い女子、とくに20代は「徹底的に食には興味のない子」がめっぽう増えており、そういうたぐいの女子たちは「サイゼも悪くない」ではなく「サイゼがいい」……サイゼのほうが断然落ち着くわけで、我々おっさんが「若い子はお金がないから、普段行けないお店に連れてってやるか…」と、高級フレンチやカウンターオンリーの値段が書いていない寿司屋に彼女らを“拉致”する行為は、独りよがり以外の何者でもない。
年上として「より相手が心地良い環境」をマネージメントすることを目指すなら、ここはやはりサイゼ──『サイゼリア』こそが彼女らにとっては「最高の空間」なのである。人気一位であるらしい「ミラノ風ドリア」とか、けっこう美味しいし、ピザも正直、宅配のヤツよりあっさりしていて、胃がもたれないし……と、こんな能天気な悩みで一喜一憂できる日が、早く戻ってきてほしいもんですな(笑)。いや、マジで!
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