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7月19日の朝。「虎の御用新聞」との呼び名も高いデイリースポーツのトップ面に、
5カード連続勝ち越し! きょうにも3位!!
3連勝!!5割復帰大手
西みそぎの完投星
チームのため家族のため「絶対投げ切る」気合の125球
お立ち台で不倫騒動謝罪
「今後はプレーで返すことが大事」
……なる見出しが、華々しく躍っていた。
野球に興味のないヒトたちはイマイチ、なんのことだかよくわからないのかもしれない。念のために、あとちょっとだけ詳細を付け加えておこう。
7月16日発売の『週刊文春』で、緊急事態宣言下での不倫を報じられた阪神タイガースの西勇輝投手(29)が、18日の対中日戦に先発。9安打3失点で468日ぶりの完投勝利をマークし、今季2勝目を挙げた。そして、ヒーローインタビューでお立ち台に上がった西は、冒頭で
「まずはこのたび、自分のプライベートなことで大事な時期にたくさんの迷惑をかけて、申し訳ありませんでした。家族にも本当につらい思いをさせてしまって、すごく反省しています。今後は甲子園のマウンドに立ってプレーで返すことが大事だと思っております。今後もしっかり頑張っていきます。ありがとうございました!」
……と謝罪。観客席とテレビカメラに向かって深々と頭を下げた。
「今日は絶対に投げ切る!」と決意して家を出てきたらしい。私もこの日、最初から最後まで、ずっと西(勇)投手のピッチングをテレビで見守ってきたが、たしかに縦横を丁寧に投げ分ける抜群のコントロールは健在ながら、なによりも “完投”に対する凄まじい執念を感じた。今日 “だけ”は絶対にヒーローとして “お立ち台”に立ちたかったんだろう。いかにも野球ファンのツボを突きそうな美談ではないか。
ん? ちょっと待て!? コレ……美談で済ましちゃってホントにいいの? だって今、世間では大々的なネガティブキャンペーン真っ只中な不倫をしでかしちゃったヒトですよ? でっくん(東出昌大)や(アンジャッシュ)渡部が、あそこまでボコボコに叩かれたのに、不公平じゃないですか……なんて声も聞こえてきそうだが(実際、ヤフコメにはその手の主旨の書き込みがいくつかあった)、私としては心の底から「これ以上、騒がないで!」とお願いしたい。ぶっちゃけ、でっくんや渡部がどうなっても私の実生活にはなんの影響もないが、阪神のエースである西(勇)投手が、たとえば先発のローテーションから外れてしまったら……私をはじめとするトラ党の私生活には大いなる実害、支障が出てしまうからである。連敗連敗で原稿がまったく手につかず……うん! 全然あり得ますな!!
総合的な知名度の違い、イメージで売っているタレントとパフォーマンスや数字が評価の対象になるプロアスリートとの違い、妻(不倫された側)が著名人か一般人か、「公衆トイレ」などコンプライアンス違反の程度の差……ほか、さまざまな要因が複雑に絡み合ったすえの “不公平”だとは思う。でも、一番デカいのは、プロ野球選手には温かい目を持つファンだけで埋め尽くされ、容赦ない質問をぶつけてくる芸能記者もいない “お立ち台”があることだったのではなかろうか。もちろん、活躍しなきゃ、そこに立つことはできないんですけどね……。いずれにせよ、貴重な一勝をあげてくださった西投手にアッパレ! この話題はもうおしまいってことで、よろしいでしょうか?