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■ビスコ誕生秘話



 



1933年に1箱10銭で発売されて以降、現在まで愛され続けているビスケット菓子・ビスコ。キャラメル菓子の「グリコ」に続く栄養菓子として、江崎グリコの創業者・江崎利一が開発を手がけました。



 



江崎が目をつけたのは、胃腸の機能を整え、消化吸収を活発にする酵母。当時は子どもの栄養不足が課題だったため、身体にいい酵母の入ったビスケットを作ろうと思いついたのです。



 



ですが酵母は、ビスケットを焼く高温に耐えられません。そこで、クリームに酵母を入れる方法を考案しますが、クリームに加えられた砂糖を溶かし、水分を飛ばすためには長い時間加熱する必要があり、やはり酵母が半減してしまったそうです。



 



試行錯誤の末、砂糖を少量にしてココナッツオイルを加えるというアイディアで、加熱時間の短縮に成功。酵母がふんだんに入ったビスケットを生み出しました。この「酵母入りビスケット」を略して「コービス」、さらに前後を入れ替えて「ビスコ」という商品名になったのだとか。ちなみに、現在のビスコには酵母ではなく、乳酸菌が入れられているそうですよ。



 



 



■今の“ビスコ坊や”は5代目!?



 



「ビスコといえば」というほどに人々から親しまれているのが、パッケージに描かれた男の子、通称「ビスコ坊や」です。実は、現在のビスコ坊やは2005年に新しくなった5代目。なんと、現代の幼児の顔に合わせるために、数百枚の写真を集めて徹底的に分析したといいます。



 



時代の変遷に合わせて、少しずつその見た目を変えてきたビスコ坊や。最初のパッケージに描かれた初代ビスコ坊やは、とても日本人とは思えない顔をしているのですが、それはドイツのポスターを参考にしたからなのだそうですよ。



 



 



■“おねえさんビスコ”ってなんだ!?



 



ビスコについては、江崎グリコの定番商品として、昔から何ひとつ変わらずに販売が続いている……というイメージをお持ちの方もいるのではないでしょうか。実際は、時流に合わせてビスケットの製法をリニューアルしたり、ミニパックや大箱、大袋といったサイズの違う製品を用意したりと、さまざまな工夫が凝らされてきました。



 



極めつきは、江崎グリコの社内で“おねえさんビスコ”として開発されていたという、クラッカータイプのビスコ。子どものみならず、おねえさんにも食べてもらえるように、ビスケット生地ではなく、あっさりと軽いクラッカーを使った商品を作り、2002年から売り出したのだとか。こうした創意工夫を続けたことが奏功したのか、2018年には、1933年に発売されて以来最高となる売り上げを記録したそうです。


情報提供元: citrus
記事名:「 パッケージの"ビスコ坊や"は5代目!? 実は、“おねえさんビスコ"が開発されていたって知ってた?【ビスコトリビア3選】