- 週間ランキング
■グリコは“グリコーゲン”のグリコ!
商品名だけではなく、会社名の一部ともなっている“グリコ”とは、そもそもどういう意味なのでしょうか。
これを命名したのは、江崎グリコの創業者・江崎利一さん。そして、耳慣れないこの言葉の由来となったのは、牡蠣(カキ)に含まれる栄養素・グリコーゲンです。
佐賀で薬種業に従事していた江崎さんは、ある日、牡蠣の煮汁を廃棄する漁師を見かけます。かつて読んだ記事のなかに、「牡蠣にはエネルギー代謝に必要なグリコーゲンが豊富に含まれている」と書かれていたことを思い出した彼は、その煮汁を有効活用する方法を考え始めたのだとか。
はじめのうちは薬として利用することも検討していたそうですが、国民の病気予防や体力強化、子どもたちの健康づくりを目的に定め、最終的にはグリコーゲンが入ったお菓子を作ることに。こうして生み出されたのがグリコなのです。
■あの印象的なマークはどうやって生まれた?
グリコのパッケージといえば、両手と片足を上げた独特のポーズの男性ですよね。大阪・道頓堀のシンボルともなっているあのマークは、江崎グリコ内で「ゴールインマーク」と呼ばれているそうで、先述した江崎さんが考案したものらしいですよ。
グリコの商標を考えていた頃、近くの神社でかけっこをしていた子どもが両手を上げてゴールする姿を見て、「子どもの遊びもスポーツにつながっている」、「スポーツこそ健康への近道」と直感した彼は、スポーツに勤しむ男性をモデルに原画を描いたといいます。
商標の候補には、他にも鳥や花などのマークがあったらしいのですが、近所の小学校で人気投票を行ったところ、「ゴールインマーク」が断トツだったことから、これに決定したそうです。
ちなみに、パッケージにある「ひとつぶ300メートル」とは、20歳の男性が分速160メートルで走るという想定で記されたもの。グリコ1粒が16.5キロカロリー、男性が1分間に使うエネルギーは8.71キロカロリーなので、1粒で1.89分、約300メートル走れる計算になるようですね。
■ついてくるおもちゃが大進化!
1922年の販売開始から5年後の1927年には、キャラメルにおもちゃがつけられるようになりました。「子どもにとっての二大仕事は、食べることと遊ぶこと」という考えから、栄養補給ができるグリコと、健やかな心を育ててくれるおもちゃをセットにしたそう。当時は、絵のカードや銅製のメダルなどがつけられていたといいます。
現在のおもちゃは、動物を模した木のおもちゃ。カバやチーター、ワニといった10種類の動物のうち、どれか一つが入っているそうです。ただしこれ、ただのミニチュアではありません。スマートフォンなどに専用アプリをダウンロードして手元のおもちゃを読み込むと、なんと画面のなかをその動物が動き回るのだとか。時代に合わせて、おもちゃも進化しているのですね。