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■罵倒しておきながら、なぜ早く帰って来いというのか
「僕が妻に関してわからないことはたくさんあるんですが、どう考えても、うちの妻は僕のことなんかもう好きじゃないと思うんですよ。それなのに早く帰らないと怒って罵倒する。機嫌よく迎えてくれるなら、ああ、早く帰らないと怒るんだなとわかるけど、帰っても帰らなくても不機嫌なわけ。何を望んでいるんだろうと考えちゃいますね」
トモキさん(43歳)は結婚して13年。同い年の妻との間に小学生の子がふたりいる。もっと早く帰って子どもとコミュニケーションをとってほしいというならまだわかる。だが、早く帰ってどうしてほしいのかが見えてこない。
「残業だからとメッセージを送ると、『仕事が遅いんじゃないの?』と辛辣な言葉を投げつけてくる。たまに『早く帰るね』と送ると、『あなたの分の食事は用意していなかった』とかね。単なるイジメとしか思えなくなってきました」
家事をもっとやれと言われても、何をやればいいかわからない。風呂掃除をすれば、「たいしてきれいになってないわね」と言われてしまう。
「おそらく妻は、今の状況すべてがいやなんでしょうね。僕と一緒にいることも、パートをしながら主婦業をこなすことも。ときどき、子どもに『今日は何を食べた?』と聞くと、『冷凍餃子と買ってきたフライドチキン』だったりする。いいんですよ、出来合いのものを買ったって。だけど妻の態度には、どこか投げやりな感じがある。もしかしたら家族への関心を失っているのかなと思うことがあります」
現在の環境への絶望感があるなら、それはストレスをぶつけやすい夫への圧力となるだろう。子どもをストレスのはけ口にしないだけ、ましかもしれない。
■たまにはロマンティックな夜を
結婚記念日や妻の誕生日を忘れる夫も中にはいるが、昔と違って妻を喜ばせようと腐心する男性も少なくない。
「ひとり息子が中学生になり、たまにはロマンティックなことをしたいなと思ったんです。だから先日の結婚記念日に、妻をホテルのレストランディナーに誘いました。すると妻は、ギロリとにらんで『もったいないからいいわよ。それとも何か悪いことしたの?』って。こういう疑惑に満ちた目をするような女性じゃなかったのになあとすごく悲しくなりましたね」
リョウタさん(46歳)は、少し寂しそうにそう言った。結婚して15年、自分たちの間で何が変わってしまったのだろうかと考えざるを得なかったという。
「結婚して子どもが生まれてから、妻はどんどん現実的になっていった。もちろん、妻が現実的だからこそ、家庭がうまく回ってきたのはわかっています。でも、たまにはロマンティックなことがあってもいいし、いつもと違う雰囲気を味わってもいいんじゃないかと思うんですよね」
結局、ホテルのディナーはやめ、彼は大輪のバラを結婚年数と同じ15本、買って帰った。妻は受け取るなり、「いくらしたの?」と言ったという。
「あれこれねだる女性でも困るけど、プレゼントを喜ばない女性もがっかりですよね。妻はもはや、僕には何も望んでいないように思える。共働きだから僕も家事をしますし、妻が何かしてくれたときはきちんとお礼を言うようにしていますが、妻からありがとうと言われたことはあまりないんです。何をしても当たり前でしょという顔をされる」
彼はそう言ったあと、うーんと唸って「嫌われてるんですかね」と寂しげな顔をした。
妻とはうまくやっていきたい。そう考える男性は多いのだが、一方で夫が身勝手だと感じている妻は少なくない。夫婦の間にどんな齟齬が生まれているのか。結婚して年数がたてばたつほど、それを見直して軌道修正していったほうがいいのではないだろうか。