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■焼き鳥の源流はスズメの丸焼き!?
かつての日本では、家畜の肉や獣の肉を食べることが禁止されていたので、肉といえばもっぱら野鳥を指し、カモやウズラ、キジなど、あらゆる鳥が食べられていたそうです。
そのなかには、現在は食材として用いられることが少ないスズメも含まれていました。大食漢で雑食性のスズメは、植物が成長していく時期においては、たくさんの害虫を食べてくれるありがたい存在ですが、稲穂が実る季節には害鳥へと変わります。
やっとのことで作ったお米を食べ散らかしてしまうスズメは、農家にとっては大変憎らしい鳥であり、盛んに捕まえられてきました。そして、そんなスズメを串に刺して、丸焼きにして食べていたのが、焼き鳥の源流だという説もあるのです。江戸時代には、神社の参道で売られている焼き鳥が人気だったようですが、そこで中心となっていたのもスズメだったそうですよ。
■「ねぎま」の“ま”は、間のことではない!?
さまざまなメニューのある焼き鳥のなかでも、定番となっているのが「ねぎま」ですよね。肉の間にネギが挟まれた串はとてもおいしいわけですが……このねぎまという名前、実はネギが間(ま)に挟まれていることが由来ではないのです。
この名称の元となったのは、江戸時代に食べられていた「ねぎま鍋」だといわれています。そして、この鍋に具材として入れられていたのは、ネギとマグロだったそうです。
つまり、ねぎまの“ま”はマグロから来ているのですね。なんでも、ねぎま鍋の簡易版として、ネギとマグロを串刺しにして焼いた「ねぎま」が誕生し、マグロが高級品となったことから、鶏をマグロの代わりにした今のねぎまが生まれたのだとか。
ちなみにこのメニュー、魚ではマグロが中心の食文化である関東ではねぎまと呼ばれていますが、関西では「とりねぎ」や「はさみ」ということもあるそう。そのネーミングから、風土や文化の違いがわかるのも面白いですよね。
■「やきとり」は鶏だけではない!?
「焼き鳥」ではなく「やきとり」と書かれている場合、鶏だけではなく、牛や豚、その他の食材が串に刺さったものも含むといいます。幕末期に始まった「やきとり」屋では、牛や豚の内臓肉も串焼きにして販売されていたことから、現在でもこの名前が使われているのだとか。
今も地域によっては、豚や牛、さらには馬肉を使った「やきとり」が食べられているとのこと。まだ見ぬ「やきとり」を探して、日本各地を旅してみてはいかがでしょうか。